芝生用着色剤で冬でも緑の芝生に

暖地型の芝生を冬枯れする前に着色する

芝生用着色剤の希釈液

最も手軽な方法が芝生用着色剤の使用です。高麗芝やティフトンなど暖地型の芝は冬枯れしますが、冬枯れする前に着色剤を塗布します。芝生用着色剤はゴルフ場向けに開発された資材ですが、最近では一般にも流通するようになり入手しやすくなりました。


施工方法

噴霧機

施工はいたってシンプルで、規定倍率に薄めたものを噴霧器で噴き付け塗装のような要領で着色します。使用する噴霧器はできるだけ細かなミストが出るものがお勧めです。ある程度の価格帯なら細かなミストで噴霧できるでしょう。細かいミストは農薬散布でも有効に作用します。ノズルがプラスチック製で価格が安い噴霧器は粗いミストになりがちで、塗布効率もやや落ちます。


芝生用着色剤の希釈液

着色剤は50~150倍程度に薄めて噴霧します。希釈液といえどもかなり濃いですから、コンクリなど芝生以外の場所にこぼすと長期間色が残ります。服や靴に付着すると落ちないことがありますので、汚れてもよい格好で作業してください。


段ボールなどで余分な着色を防ぐ

塀や土間など芝生以外の部分への付着を防ぐには、段ボールなどでカバーしてやる方法もあります。細かいミストは意外と風で流れますので、余分なところに付着しないように気をつけてください。万が一付着した場合はすぐに水で洗い流すことをお勧めします。液体が染みこみやすい素材ですと色落ちに時間がかかるかもしれません。塗装面などは比較的簡単に落ちるでしょう。


芝生用着色剤を噴霧したところ

写真手前が着色剤を噴霧した部分、向こう側が未施工です。


着色剤を施工する時期と頻度

10月から11月にかけて1回目の着色剤を施工すると発色が良い状態を長く保てます。着色することによって保護効果や地温上昇効果が得られ、芝生本体の葉の緑も維持されるためと考えられます。葉の退色が進んでからの着色は、色の乗りが悪くなりますので早めの着色がお勧めです。

着色剤は永久に色が残るわけではなく、雨や日光などによって時間とともにゆっくりと退色します。最初に施工した後、月1回ぐらいのペースで繰り返し着色すると、比較的きれいな状態を保つことができます。

芝生用着色剤の効果の違い

写真は休眠が深まった1月の様子。写真左上が3回重ね塗り、右上が2回重ね塗り、下が未施工です。月1回ペースで重ね塗りをすることで色持ちが良くなります。


冬枯れしてからの着色は発色が良くない

写真下の部分は冬枯れしてから着色剤を施工した部分です。冬枯れしてからの施工は発色があまり良くありませんので、退色する前から施工を始めるのが理想です。


着色剤のメリット

着色剤のメリットは常緑を維持するだけでなく、地温上昇による冬期のサッチ分解促進(ただし非常にゆっくり)や、春の立ち上がりの促進も期待できます。