除草剤で芝生が黄化した ─ 薬害

芝生用除草剤を散布したら黄化した(薬害)

ハンディスプレータイプの芝生用除草剤

雑草を一網打尽にしてくれる芝生用除草剤は便利で手入れの省力化に役立ちますが、使い方を誤ると芝生が黄化するなどの不具合が発生します。管理人も何度か芝生用除草剤で黄化させたことがあります。初めて黄化の症状を見ると、このまま枯れてしまうのかと不安になるかも知れませんが、よほど分量を間違えてない限り枯れることはありません。黄化の実例やその後の対処について解説します。

※注:写真の除草剤が特に黄化しやすいという意味ではありません。あくまでも写真はイメージですので誤解なきよう。





芝生用の除草剤なのに、なぜ黄化するのか

芝生用除草剤シバゲンDF

芝生に使える除草剤というからには影響が無いはずでは? そう考えてもおかしくはないのですが、実際には芝生に全く影響が無いわけではありません。除草剤には感受性というのがありまして、薬剤がどれぐらい影響を及ぼすかによって効く効かないが分かれます。イメージ的には、雑草には100効くけど芝生には5しか効かない、そんな感じです。ただし、ほんの少しではあるものの影響はありますから、使う量が多くなるとその分影響も大きくなり、成育に不具合が生じることになります。特に気をつけたいのは、シバゲンDFなどのプロフェッショナル向けの除草剤です。プロ向けの除草剤は、平米あたりのコストや労力削減を考慮して、ごく微量で効くように設計されています。例えば前述のシバゲンですと、1平米あたり0.02~0.03gの薬量で効果を発揮します。少しの散布ムラでも規定範囲を超えることになりますので、散布ムラによる薬害が発生しやすいと言えます。その代わりプロ向けだけあって除草効果は抜群です。効果が高い代わりにいい加減な作業はできないということですね。


ハンディスプレータイプの芝生用除草剤を散布する様子

ではホームセンターでも簡単に手に入るような除草剤なら黄化しにくいかと言えば、必ずしもそういうことはありません。例えばハンディスプレータイプの除草剤ですと手軽に散布できるゆえ、ついついまきすぎになってしまうこともあります。管理人はこれで一度黄化させたことがありました。ハンディスプレーだけでなく、簡単に散布できる顆粒状除草剤もうっかりまきすぎには注意しましょう。


除草剤で黄化した芝生

除草剤で黄化した芝生

枯れた雑草の周辺の芝が黄色くなっています。これが除草剤による薬害です。この事例はハンディスプレーによる部分的な症状ですが、全体散布で薬害が発生した場合は広範囲に黄化することがあります。


黄化(薬害)が発生した場合の対策

薬害が発生したということは、すでに芝生には薬が吸収された後ということですから、特にこれといってできる対策はありません。気になるようでしたらたっぷり散水を2~3日繰り返してください。後は回復するのを待つしかありません。早く回復させたいからといって、濃い肥料を与えるようなことは避けてください。弱っている芝生にたっぷり肥料を与えるのは、病気になっている人にご馳走を与えるようなものです。肥料を与えるとしても、薄い液肥にしておきましょう。黄化から回復の兆しが見え始めたら積極的に回復を促してください。


黄化(薬害)発生させないために

除草剤で薬害を発生させないためには次のポイントをしっかり守ってください。

用量・用法をしっかり守る

散布量の誤りは薬害に直結しますので、説明書をしっかり読んで計量も間違えないように注意してください。散布する際にも、多すぎにならないよう注意しながら散布してください。

気温と強い日差しに注意する

芝生用除草剤は、気温が高くなるほど効果がきつくなります。大まかな目安として最高気温が30℃を超える日が連続するようになったら除草剤の散布は避けた方がいいでしょう。30℃を超えずとも比較的気温が高い時には、用法の範囲でやや薄めにする、散布量を減らすなどして調整してください。大半の除草剤が真夏は散布厳禁となります。真夏に使える除草剤はごく少数です。

適用をしっかり確認する

日本芝には使えるけど西洋芝には使えない、そういう除草剤もあります。また西洋芝の中でも暖地型だけに限られているものもあったりします。自宅の芝生に合った除草剤かどうかをきちんと確認しておきましょう。適用の無い除草剤をまいてしまうと、枯れてしまうことがあります。