芝生が根付くまでのポイント

芝生が根付くまでのポイント

芝張りが終わるとそこから本格的な芝生の手入れがスタートします。まずはできるだけ早く根付かせることが重要です。根付くまでの間に気をつけたいポイントについて解説します。




根付くとはどういうことか

切り芝(ソッド)は圃場から切り出される際に根をカットしますので、非常に根が短くなっています。芝張り後に新しい根が成長し、土壌にしっかり根が入り込むと切り芝を引っ張ってもはがれなくなります。これが芝が根付いた状態です。活着(かっちゃく)とも言います。根付いた芝は栄養吸収力が高まり、その後の成長も勢いづきます。 暖かい時期なら2週間もあれば根付くでしょう。


初期の水切れに注意

芝生に散水

芝張り後、最も気をつけたいのは水切れです。根が短い分、水分吸収力が弱いですから、表面が乾いていたらたっぷり水やりをします。散水は朝が基本です。

散水間隔の目安は、3月は1~3日に1回、4月は1~2日に1回、5~9月は毎日(夏は場合によっては朝晩)、10月は1~3日に1回です(11月から2月頃までは芝張りに適さない)。

気温が高いほど散水間隔を短くしなければなりませんので、水やりが毎日必要でない時期だったとしても気温が高めの日が続くようでしたら連日散水するなどして調整してください。雨が十分降った場合は散水間隔を空けても大丈夫です。

根付いたのが確認できたら、徐々にペースを落としても大丈夫です。少量の水を頻繁に与えますと、土壌の浅い部分の水を求めて根が深くまで成長しにくくなりますので注意してください。芝生の水やりは本当に奥が深いです。


できるだけ芝生に立ち入らない

芝生と黒柴

芝生が根付くまでの間は、なるべく立ち入らないようにしてください。歩くことで切り芝がずれ、根付きが遅くなることがあります。立ち入る場合は、芝生をずらさないようにそっと歩いてください。お子さんやワンちゃんが走り回るのは厳禁です。


芝張り後に適さない資材の散布は控えましょう

早く成長して欲しいからといって肥料を大量に与えますと、せっかく新しく成長しかけた根を傷めてしまうことあります。また、肥料以外の資材でも初期成育には使わない方が良いものもあります。製品の説明書をしっかり読んで、芝張り後に適した資材かどうかをチェックしてから施用してください。土作りの段階で良質な堆肥や元肥が入っているなら、当面は散水だけでも十分成長するでしょう。

管理人がお勧めする芝張り直後に適した資材

芝張り直後は「発根を促す」資材がお勧めです。これらの資材はゴルフ場でも使われており、芝張り後の成長促進だけでなくシーズン初めの立ち上がりの促進や土壌改良、微生物環境の改善、病害抑制、キノコの抑制など様々な効果が期待できます。

・アルムグリーン

肥料成分はほとんど入っていませんので、元肥をしっかり入れている場合はこちらがお勧めです。有機酸によって根の成長が促され、芝生の初期成育をバックアップしてくれます。

農薬登録されていることでも分かるように、植物調整剤として発根の効果は農水省のお墨付きです。農薬登録されていますが、薬品成分は使われておらず、原料は人にも使用できるレベルの漢方です。

500倍に薄めた希釈液を平米あたり1リットル、週1回ペースの散布がお勧めです。

・有機酸酵素EX

アルムグリーンと同じく有機酸によって発根を促す資材です。こちらも500倍に薄めた希釈液を平米あたり1リットル、週1回ペースの散布がお勧めです。根の成長を促し、元肥の吸収を高めて成長促進の効果が期待できます。

有機肥料と発酵した漬物を混ぜたような独特の臭いがありますが、夕方散布すると翌朝にはほぼ消えています。