芝生のスライシング

芝生のスライシング

スライシングをした芝生

芝生を活性化するための更新作業のひとつに「スライシング」があります。スライシングはターフカッターで均等に切れ目を入れていく作業(根切り)のことで、古い根を切って新しい根を成長させて芝生を活性化することができます。





スライシングの目的

古い根を切る

芝生の成長とともに古い根が増えてきますが、この古い根を切ってやることで新しい根が出てきます。そうすることで根の新陳代謝が進み、芝生が元気よく成長できます。

水はけ改善

土壌に切れ目が入ることにより、水はけの改善にもつながります。人がよく歩くところは、土が締まって水はけが悪くなったり、根の発育に障害が出ますが、スライシングによって改善することができます。水はけが改善されると、病気や藻、コケなどの様々なトラブルも予防できます。

土壌改善・病気予防

土壌の通気性が改善されると、地中の微生物の活動が活発になり、サッチや古い根の分解が促進されます。そうすることで土壌改善が進みます。また、サッチ層が分解されることで、病巣が少なくなり病気になりにくい環境が整います。

スライシングのやり方

芝生のスライシングのやり方はとても簡単で、ターフカッターで20~30cm間隔で切れ目を入れていくだけです。根切りの効果を高めたい場合はスライスの幅を狭くしてみてください。時期は芝生の成長が旺盛になる3月後半~6月くらいが最適です。芝生のスライシングは年に1回でも十分ですが、根切り効果を高めたい、水はけの改善をしたい場合は、縦方向と横方向それぞれ1回ずつやってもいいでしょう。

ターフカッターで芝生に切れ目を入れる

スライシングはターフカッターで切れ目を入れていくだけです。土壌が締まっていると刃が入りにくいことがありますが、飛び乗るようにターフカッターに体重をかけると刺さりやすくなります。


スライシングはスパイキング(エアレーション)と目的がよく似ていますが、スライシングの方が根切り効果が高く、スパイキングは土をほぐす効果が高いと言えます。どちらを優先したいかで作業の切り分けしてください。もちろん、両方やってもかまいません。芝生の成長が旺盛になる時期に垂直方向の手入れをやっておくと、ピーク時にその効果を実感できることでしょう。スライシングもエアレーションも、肥料のようにすぐ効果が現れるものではありませんが、やっておけば必ず効果を体感することができます。その効果は積み上げ式に現れますので、コツコツとやっておくことが大切です。