芝生用除草剤の分類と選び方、使い方

適切な除草剤を選んで芝生の除草をしましょう

除草剤ザイトロン

薬剤を使った除草には、発芽前に散布する土壌処理剤を使う方法と、発芽後に除草剤を散布する方法があります。土壌処理剤を散布し、生えてきたものに対しては除草剤を適用することもできますし、除草剤のみで雑草を駆除する方法もあります。できるだけシンプルにしたい場合は、除草剤のみしてもかまいません。

土壌処理剤や除草剤は、それぞれ製品ごとに年間に散布できる回数が決まっていますので、その回数を超えないよう注意してください。特に土壌処理剤は年1回のものが多いので気を付けてください。

除草剤には、芝生も枯らす非選択性除草剤(ラウンドアップやグリホエースなど)と、芝生を枯らさずに雑草のみを枯らす選択性除草剤(アージラン、MCPP、ザイトロン、インプールDFなど)があります。芝生に使うのはもちろん後者の除草剤です。芝生用の選択性除草剤と言えども、混合率や散布量を間違えると枯れてしまうことがありますので、使用量には十分注意して散布してください。





除草剤の選び方

除草剤を選ぶには、まずどのような雑草が生えているかを把握する必要があります。除草剤には大きく分けてイネ科雑草用広葉雑草用がありますので、生えている雑草が広葉なのかイネ科なのかをまず把握してください。両方生えている場合は、除草剤を2種類準備するか、両方に幅広く効く除草剤を選んでください。また、除草剤にも得手不得手があり、ハマスゲ、ヒメクグなどのカヤツリグサ科やタンポポなど除草剤によっては効きにくい場合がありますので説明書をよく読んで選びましょう。効きにくい雑草には希釈率を用量の範囲内で高めにする方法もありますが、慣れないうちは薬害を出す可能性がありますので、気温などの条件を見ながら調整してください。

広葉用除草剤

広葉用除草剤にはMCPP、ザイトロン、インプールDFなどがあります。MCPPかザイトロンのどちらかを準備しておけば、ほとんどの広葉雑草に対応できます。ハマスゲやヒメクグといったカヤツリグサ科の雑草には効きにくいことがありますので、これらの雑草が生えている場合はインプールDFが効果的です。MCPPやザイトロンは散布後数日で効果がはっきりと分かるのに対し、インプールDFなどのプロ向け除草剤は枯れるまで時間がかかるものがあります。なかなか枯れないからといって期間を空けずに連続散布すると、薬剤投下量が多くなりすぎて薬害(黄化や枯れ)が発生しますので注意してください。

MCPPMCPP ザイトロンザイトロン インプールDF
インプールDF

イネ科用除草剤

イネ科雑草はグリーンアージランで対応できます。グリーンアージランはホームセンターなどでは在庫を置いていないことがありますが、通販なら手軽に入手することができます。

※通常のアージランは芝生への適用がありませんので、必ず芝生に適用があるグリーンアージランを使ってください。

除草剤の混用

異なる除草剤を同時に混ぜて散布することを「混用」といいます。広葉雑草とイネ科雑草の両方生えている場合は、除草剤を混用散布して駆除することになります。定番的な組み合わせは「アージランとMCPP」もしくは「アージランとザイトロン」です。他にも、しつこい広葉雑草にはMCPPとザイトロンを混用したり、インプールとMCPPを混用するなど、様々な混用例があります。まずは、基本のアージランとMCPPを定期散布し、それでも枯れないものがあるようなら、特定の雑草を枯らすための混用を試してみてください。アージランとMCPPの混用で枯れないものはほとんど無いと思います。

除草剤同士だけでなく、防虫剤や殺菌剤との混用も可能ですが、必ず説明書をよく確認の上で行ってください。
補足:当サイト掲示板では「アージランとMCPP」の混用を「apisスペシャル」と表記していることがあります。これはapisさんが最初に情報提供してくださったことに対する敬意でそうしています。当サイト掲示板独自の呼び方ですのでご了承ください。apisさん、情報提供ありがとうございました。

除草剤の散布方法

除草剤の混合液を作る場合は、説明書をよく読んで用量を確認してください。雑草は葉や茎から除草剤を吸収しますので、しっかり付着させるための展着剤が必要です。水→展着剤→除草剤→水 の順番で入れてよくかき混ぜます。展着剤を先に入れてから水を投入すると泡立って後の作業がやりにくくなります。除草剤を雑草の表面や土壌に効率よく付着させるためには、霧状に散布するための噴霧器も欠かせません。なるべくきめの細かい噴霧ができるものを選んでおきましょう。

除草剤散布後は、最低6時間は雨や露・散水などの影響を受けないように配慮してください。天気予報を確認して、晴天が予想される日の朝が理想です。1日たてばほぼ除草剤が吸収されていますので、翌日の雨なら気にしなくていいでしょう。

また、除草剤を噴霧する際には風の影響もかなり受けます。強風の日に散布すると、思わぬところまで薬剤が届いてしまい、芝生周辺の植物に影響が出ることがあります。風が強くない日を選らんで作業してください。芝生の近くに植木や花などがある場合は、ダンボールなどでカバーしながら散布すると除草剤の飛散を防ぐことができます。

散布するときには、長袖長ズボン、マスク、手袋、防護メガネを装着し、噴霧した薬剤を直接吸い込んだり素肌に付着することが無いよう気をつけましょう。

芝生が病気の時や、肥料不足・水不足で弱っているときには、薬害の可能性が高くなりますので気を付けてください。また、気温が高くなると薬害が出やすくなります。最高気温が30℃を超える日が連続するような時期は除草剤の使用は控えてください。

噴霧器噴霧器 展着剤展着剤 手袋・マスク
手袋・マスク

除草剤の薬害

除草剤散布後に、葉が黄色っぽくなるのは薬害が出ているサインです。しかし、時間と共に復活しますので、放っておいても大丈夫です。枯れるほど散布してしまった場合は張り替えるしかありませんが、よほど量を間違えない限りは枯れることはないでしょう。