芝生の雑草対策

生命力の強い雑草から芝生を守る

芝生の中にも雑草が生えてきます。芝生よりも生命力の強い雑草は、放置しておくと勢力を拡大し、やがて芝生を上回る勢いで繁殖するようになります。あまり手入れのされていない公園などでは、芝生よりも雑草の方が主になってしまっているようなところもあります。
雑草対策は、芝生の面積や費やせる時間や労力によってやり方が変わってきます。ここでは芝生を雑草から守るための方法をいくつかご紹介しますので、ご自身に合ったやり方を見つけてください。




芝生の雑草をひたすら抜く

一番手間がかかる方法ですが、農薬(除草剤)を使いたくない方はこの方法が最適でしょう。また芝生以外の花や木を傷める心配もありません。ただし、毎日のように抜くぐらいの覚悟が必要です。手作業の抜き取りは根気の要る作業ですが、しんどいばかりではなく雑草の抜き取りをしながら芝生を細かに観察することで新たな発見や気付きがあったりします。管理人も雑草を抜きながら「おや?」と思う症状を発見したことが何度かありました。

雑草を手作業で抜き取るには、雑草ごとにコツがあります。これは抜きながら経験して覚える方がいいでしょう。人によって抜きやすさの基準も違うと思います。重要なのは、次の世代の種を落とす前に抜き取ることです。スズメノカタビラやメヒシバのような1年生雑草(その年だけで枯れるタイプの雑草)なら、種を残さなければ翌年は生えてきません。ただし、こういう雑草は1株から大量の種を落としますから、ちょっとでも見過ごしてしまうと、翌年その周辺に群生するでしょう。

雑草抜きの大まかなポイントですが、小さいうちに抜けるものは根っこから抜いてください。ツメクサなど小さいうちは抜きにくい雑草の場合は、少し成長させてから抜くといいでしょう。

やっかいなのは地下茎でも繁殖するタイプの雑草です。カタバミやクローバー、ヒメクグ、ハマスゲなどのように地下茎で繁殖する雑草は、根を全て除去しないと根絶することができません。生えている部分が限られているようなら、芝生ごと除去する方法もあります。これらの雑草が繁殖してしまった場合は、手作業での除草はほぼ不可能だと思いますので、一旦除草剤で駆除することをお勧めします。
雑草を手で抜くのは労力と時間を費やしますので、面積の広い芝生では現実的ではないでしょう。雑草対策にあまり時間がとれないという場合や、芝生の面積が広い場合は、除草剤を使用もしくは併用した方がいいと思います。

刈り込みで芝生の密度を上げる

芝生は刈り込み頻度を上げることで、葉の密度が高まる性質があります。芝生の密度が高くなると、地面に日光が入りにくくなるため、雑草の種が発芽しにくくなったり、雑草が成長しにくくなります。刈り込みによって芝生を密にすることも雑草対策になるのです。逆に人がよく踏んだりして芝生が薄くなっているところは雑草が生えやすくなります。

雑草が種を付ける時期の刈り込みには注意が必要です。芝刈りによって雑草の穂から種が周辺へ飛散することがあり、そうなると翌年にはあちこちから発芽します。除草剤を使用しない場合は、雑草が種をつける時期の芝刈りにご注意ください。雑草の穂が出始めたら早急に抜き取りをしておくことをお勧めします(理想は穂が出る前の抜き取りです)。

芝生専用除草剤で雑草管理の省力化

雑草対策にそんなに時間が取れない、もっと楽に雑草対策をしたい、そんな方には芝生用除草剤が効果的です。生えている雑草を一網打尽にできますし、除草剤のタイプによっては生えてこなくすることもできます。管理人もいくつか除草剤を試してみましたが、生えている雑草を枯らしながら発芽を抑制するタイプ(茎葉処理+土壌処理)の除草剤がとても便利だと感じます。全てを除草剤に頼るのは嫌だと感じる方は、手作業の抜き取りでは難しい雑草だけ除草剤で対処するなど、自宅で理想と思われる方法を組み合わせてください。最近ではハンドスプレータイプの手軽に散布できる除草剤もあります。

芝生用の除草剤といえども、量が多すぎると芝生にダメージを与えてしまいますので、用量は必ず守って使用してください。芝生用除草剤は、芝生に対して全く影響が無いのではなく、薬剤の効果が雑草に100効くとしたら芝生には3~5ぐらいといったイメージになります(薬剤に対する感受性が高いか低いかの違い)。ですので、量が多すぎると芝生にも影響が出ることがあります。また、芝生が弱っていたり気温が高い時期も薬害が出やすくなりますので散布は控えてください。薬害が出ると芝生が黄色くなったり、最悪は枯れてしまったりすることもあります。周辺の植木や花にもかからないように注意が必要です。

散布前に説明書を隅々まで読み、注意事項や散布時の服装などをしっかり守って正しく使ってください。

芝生の雑草を生えにくくする

除草剤には、生えているものを枯らす茎葉処理タイプと、土壌に処理層を形成して発芽を抑制するタイプがあります。土壌処理タイプは地表に薬剤の層ができ、伸び始めた雑草の芽や根から吸収されます。そのため、雑草が発芽すると枯れてしまうのです。土壌処理専用の除草剤にはテマナックスやシマジン、フロアブルなどがあり、2ヶ月ほど効果があるとされています。これらは成長してしまってから散布しても効果はありませんので、発芽前に散布しておくことがポイントです。

すでに雑草が生えはじめている場合は、茎葉処理と土壌処理の両方の効果を持つ除草剤がお勧めです。一般住宅の芝生(数十平米規模)ならシバキープII粒剤やシバニードアップ粒剤など、数百平米クラスの芝生ですとシバゲンDFなどがあります。