芝生の目土入れについて

芝生を活性化する更新作業の一つに「目土入れ」があります。目土は芝生の萌芽を促したり、細く密な葉を形成するなど、さまざまなメリットがあります。しかし、デメリットもありますので、芝生の仕上がりレベルに合わせて施工した方がいいでしょう。






目土の役割

トンボ 目土には発芽や発根を促進する役割と、不陸(デコボコ)を修正する役割があります。新しく芝を張った時には、目土で覆ってやることで根付きや発芽を促進できます。春の萌芽期に目土をすることで発芽を促進して芝生を元気にすることもできます(通常更新作業の一環として行います)。また、芝張り後に不陸(ふろく:デコボコのこと)が生じた場合、へこんだ所に目土を入れることで平らにするメンテナンスもできます。 また、目土は芝の葉を細くし直立させる役割もあり、きめの細かい芝生に成長させることができます。

 

目土は毎年必要?

春の萌芽期に毎年目土をする必要があるかと言えば、必ずしもそうではありません。ゴルフ場や競技場のようにハイクオリティな芝生にしたければ適宜目土が必要になりますが、そこまでのクオリティを求めない一般家庭レベルなら数年に一度でも十分です。目土を全くせずに芝生の維持をしているところもあるくらいです。芝生がスカスカしている、元気がない、ランナーが露出している、不陸がひどいなどの問題がないのであれば、毎年やらなくても大丈夫です。私自身は目土の全面施工はせず、部分的な補修目的で目土を入れるようにしています。

 

目土のデメリット

目土のデメリットに、グランドレベルがどんどん上がるということがあります。旧広島市民球場では、数十年にわたって目土を入れ続けた結果、球場建設当初よりグランドが30cmも高くなってしまったそうです。家庭での目土も同じで、毎年1cmずつ入れると10年後にはグランドレベルが10cmほど上昇することになります。場合によっては張り替えもしくはレイアウト変更などの処置が必要になるでしょう。目土を続けると確実にグランドレベルは上がりますので、それを前提として将来的な計画を立てておいた方がいいでしょう。庭のレイアウトを考える時に、グランドレベルが上がっても大丈夫なようにしておくのも手です。 我が家の庭は、芝生の中に飛び石やレンガ・枕木などのアクセントがあり、そこに段差ができないようにしたいので、補修目的でのみ部分的に目土をしています。全体に目土を入れた方がきれいで緻密な芝生になるのは分かっているので、悩ましいところです。

目土によって雨水桝と芝生に段差ができた 目土によって芝生のグランドレベルが上がってしまったので、雨水桝が低くなってしまいました。飛び石やレンガによる装飾も、低くなっているところがあります。これ以上段差をつけたくないので、全体的な目土はしていません。






目土の質

ホームセンターや園芸店で売っている目土にも、いろいろな種類があります。中には肥料入りのものもありますが、施肥を定期的にするのであれば肥料入りでなくてもかまいません。私が今まで購入したことがある目土には「砂」「混合土」「粒状」の三種類があります。これらを簡単に比較してみました。

砂状の目土 現在使用している砂です。きめが細かく芝生の間に入りやすいのでとても気に入っています。
(砂についてはコンバインさんの芝生管理を参考にさせていただきました。コンバインさん、ありがとうございました。)
混合目土 数種類の土や砂が混ざっている目土。それぞれの成分が分離しやすいのが難点です。
粒状目土 粒状の目土。どこのホームセンターでも目にする、かなりポピュラーなタイプだと思います。
目土の性質で私が一番重要視しているのが「水はけ」です。というのも、我が家の庭はやや水はけに難がありますので、できるだけ排水性の高い目土を使いたいからです。では、目土を水で湿らせて比較してみましょう。

水を含んだ砂状目土 砂状の目土は、さすがに浸透性抜群です。現在この砂を使用しているのは、この水はけの良さが一番の理由です。
水を含んだ混合目土 混合目土はやや排水性に劣ります。水を加えた時に3種類の中では一番染み込みにくかったです。
水を含んだ粒状目土 粒状目土は粒の隙間を水が流れますので排水性抜群。また、それぞれの粒が保水しますので、適度な水分が保持されるでしょう。しかし、写真のように粒がつぶれてしまうと粘土状となり、水はけに難があります。人がよく踏むところには適さないのではないかという印象です。
以前は粒状の目土を使用していたのですが、雨などで目土が湿った後に雑草抜きで歩き回っていると、粘土状に踏み固められてしまったことがありました。元々水はけの悪い土壌の上に粘土状の層ができてしまうと、さらに水はけが悪くなってしまいます。ですので、それが分かってから以降は砂状の目土を使うようになりました。
(粒状の目土はダメなのか?というと、そうではありません。あくまでも個人的な感想ですのでご了承ください)

 

芝生の目土入れの様子

目土施工に使うトンボ 目土の施工はトンボがあると便利です。ホームセンターで1本1,000~1,500円くらいで売ってます。
目土を出す 芝生の上に目土をどさっと出します。
トンボで目土を慣らす トンボを使って、目土をならしていきます。芝生を覆ってしまうのではなく、隙間にすりこんでいくような感じでやってください。目土の盛り過ぎは禁物、0.5~2センチくらいの厚みで十分です。
目土後はたっぷり散水 芝生の目土を入れた後は、たっぷり水をやっておきましょう。より平らな芝生を目指すのであれば、ローラーが必須です。予算や置き場所に余裕のある方は挑戦してみてください。
デッキブラシで目土をすりこむ 砂による部分的な補修の場合は、幅広のデッキブラシなどでですりこむ方法もあります。
目土を入れる場合は、更新作業のひとつとしてサッチングやエアレーション、施肥などと組み合わせて行うのが効果的です。グランドレベルが気にならない方は、毎年やることでより緻密な芝生を楽しむことができるでしょう。グランドレベルが気になる方は、目土をあまり入れない方向で考え、目土以外の芝生活性化手段を重視するのがいいでしょう。