芝生の水やり・散水

芝生の水やり 簡単なようで奥が深い芝生の水やり。多すぎれば徒長や病害が発生し、少なすぎると水不足のストレスを与えてしまいます。芝生の様子や天候を見ながら、適度な水量に調整するのが散水の秘訣です。






水やりのタイミング

水やりのタイミングは、水不足症状が出る直前が目安となります。水不足症状が出る日数は、季節や気候、気温、湿度、土壌の質、根の張り方、散布している資材など様々な条件が影響しますので、芝生の様子を見ながら判断してください。目安として、最高気温が23~25℃ぐらいになってくると水不足症状が出やすくなります。これ以下の気温でも雨が全く降らない日が続いていれば水不足になることもありますし、気温が高くても雨が多ければ水不足症状は出ません。雨の頻度や量もかなり影響します。

芝生が水不足になると葉が徐々に巻いてきます。そのまま放置すると針のように細く丸まり、どす黒い色に変色してしまいます。さらに放置すると葉の部分が枯れて「乾燥休眠」の状態になります。日本芝の場合、葉が巻いて細くなる程度の水不足であれば、散水することで簡単に復活しますが、乾燥休眠までいくとダメージが出て回復に時間がかかります。寒地型西洋芝の場合は、ダメージが出る可能性がありますので水不足症状が出る前に散水しておいた方がいいでしょう。

水不足は芝生にとってストレスになりますし、光合成の効率が落ちて病虫害に弱い状態になることも考えられます。自宅の芝がどれくらいで水不足の症状が出るのかを把握しながら、水切れになる前に適切に散水を行ってください。

水不足で葉が巻き始めた芝 水不足で葉が巻き始めている様子。
針のように細く丸まった芝 水不足を放置すると針のように細く丸まります。葉が巻くのは蒸散(葉からの水分蒸発)を防ぐためと思われます。
散水後に復活した芝 散水することで復活し始めた芝。水不足の芝には、雨が一番効果があります。
水不足で変色した芝 水不足になると全体がどす黒い色になります。葉が巻いて細くなるので、地肌やサッチ層も見えるようになります。
正常な芝生 これは上の写真の2日前の正常な時の様子。2009年の5月下旬でしたが、この年は5月の降雨が例年の半分以下という少雨だったため、真夏のような気温ではないにも関わらず水不足が出やすい状態でした。

たっぷり散水とはどれくらい?

芝生の水やりは、「水不足症状が出ない程度に間隔を空けてたっぷりと」がポイントになります。「たっぷり」の目安は、1m2あたり10~20リットルぐらいになります(あくまでも目安です)。10リットルをくむのに何秒ぐらいかかるかを計測しておけば、散水時間の目安となります。

散水は朝晩どちらが適している?

夜間に湿気がある状態が続くと病害が出やすくなりますので、朝の散水をお勧めします。ただ、夜に散水したからといってすぐに病害が出るわけではありませんので、様子を見ながら調整してください。

水不足症状が出た時の対処

何かと忙しかったりしてついつい水不足症状が出てしまったりすることもあるでしょう。そんな場合に対処方ですが、日本芝の場合は日中であってもかまいませんのでたっぷり散水してあげてください。1時間ほどすれば巻いていた葉が復活するでしょう。西洋芝の場合は、日中なら霧状の散水(ミスト)で葉から吸収させてください(シリンジング)。土壌までしみ込ませないのがポイントです。シリンジングは1~2時間おきに繰り返すと効果が高まります。気温が高い時期にたっぷり散水すると、その後土壌が蒸れて根まで痛める恐れがあります。朝晩の気温が低い時間帯ならたっぷり散水でもOKです。

水のやりすぎによるデメリット

・徒長(間延びして軟弱成長)
・湿気を好む病害が発生しやすい
・土壌の酸素が少なくなる
・悪玉菌が繁殖しやすくなる
・根にダメージを与える
・肥料の流亡が多くなる

土壌は「固層(土の粒)」「気層」「液層」で構成されており、固層の比率は土を入れたりしない限り変化しませんが、気層と液層は散水や雨によって比率が変化します。散水や雨によって液層が増えると気層が減少し、土壌は酸素が少なくなります。土壌の酸素が少ない状態が続くと悪玉菌が繁殖しやすい状況になります。根も呼吸していますので、酸素が少なくなれば生育に障害が出ます。肥料の三大要素のうちチッソやカリは比較的流亡しやすい要素ですので、水をたくさん与えてしまうと流亡も激しくなります。また、水をたくさん吸わせると徒長しやすくなります。成長の旺盛な時期に徒長させると刈り草の処理が大変なだけでなく、軸刈りになりやすくなります。このようなデメリットが出ないように散水をコントロールすることが大切です。

施肥後の散水

粒状肥料を散布した後にはたっぷり散水することが基本ですが、その後の散水にも注意が必要です。粒状肥料の散布後できるだけ散水間隔を空けようとすると、土壌の水分が少なくなって肥料の濃度が上がり過ぎることがあります。肥料散布後しばらくは土壌を乾燥させ過ぎないように散水でコントロールしてください。肥料を多めに散布した場合や溶けやすい肥料(即効性の肥料)の場合は特に注意が必要です。

肥料散布後の散水 粒状肥料散布直後は強めの水圧で隙間に落とし込むように散水すると、葉焼けしにくくなります。肥料散布後は土壌が乾燥しすぎないよう水分コントロールをしてください。

耐干ばつ性・耐候性を高める資材

ケイ酸は葉の表層を強くして蒸散を防いでくれます(病原菌が侵入しにくくなったり、光合成を活発にさせるなどのメリットもあります)。糖を与えることで水切れに強い芝になります。根肥えのカリは根張りを促進しますので、土壌水分を効率よく吸い上げることに役立ちます。
また、堆肥や有機肥料などの有機物を投入して土壌の保水力を上げることで、水切れしにくい環境作りができます。
こういった資材を活用することで、水切れに強い芝にすることができます。

管理人が愛用している資材で耐干ばつ性や耐候性を高める働きがあるものは、万緑-NHT(ケイ酸・トレハロースなど)、スーパーポリスピリット(硝酸カリなど)、ハードバン(ケイ酸・カリ・糖など)、スーパーグリーンフード(ケイ酸・糖類など)などがあります。