芝生の調子が悪くなりやすかった今年の梅雨

2020年8月2日(日)

梅雨らしい天候が続いたため芝生の不調が多い

1週間ほど遅れましたがようやく梅雨明けしました。今年は梅雨らしい天候が多かったせいか、芝生の不調に関するお問い合わせが多くなっています。多くはこの時期の定番的病気であるカーブラリア葉枯病と思われるお問い合わせですが、ここ1週間ほどは急に害虫と思われる問い合わせが増えています。


夏の日差しの中でがんばって咲いているバラ。鉢植えはあっという間に水切れしますね。


白い花は「清楚」という表現がぴったり。フリフリした下着を想像する私の汚れた心を洗い流してくれます。


ベントグラスは30ミリで芝刈り。やや成長が衰えてきた感があります。これから寒地型西洋芝にとってはほぼ1日中適温を外れる日が続く厳しい節になります。


害虫と思われる枯れも発生。冒頭でも書きましたが、ここ1週間ほど害虫と思われるご相談が急増しています。だいたい同じ時期に同じ障害が発生する傾向にありますから、原因不明の密度低下や枯れが発生した場合は、スミチオンを1000倍に希釈して平米3リットル散布してください。全面散布が基本です。その後枯れが広がるかどうかを確認してください。

病気の場合は特徴的な枯れ方をすることが多いですので(褐色で点々と枯れるなど)、はっきりと病気と分かる場合は適用のある殺菌剤を散布してください。病気と害虫の区別がつきにくいこともありますが、その場合も先に害虫の線を消しておくことをお勧めします(原因を絞るため)。


姫高麗芝は25ミリで芝刈り。諸事情で10日ほど芝刈りができなかったのですが、肥料散布した上に雨も続いたため伸びすぎになった状態での芝刈りでした。葉色のきれいな部分を大半カットすることになったため発色もいまいち。色薄っ(笑)ちなみに飛び石より手前は30ミリでカットしましたのでやや色が濃くなっています。


今年は梅雨らしい天候が続いたため光合成の不足によって不調をきたしやすいシーズンとなったようです。芝生の不調に関するお問い合わせが空梅雨気味だった昨年よりかなり多くなっています。我が家も例外ではなく、葉枯病は昨年よりはるかに悪化しています。例年通り20日ごろで梅雨明けしていればもう少しマシな状況だったのではないかと思いますが、梅雨を延長する最後の一降りが結構堪えましたね。梅雨明けしましたから今後の回復に期待です。


少しだけ収穫もありまして、飛び石より左側はとある資材を散布していたのですが、葉枯病の発生が右側よりは抑えられている傾向が見られます。これが「たまたま」なのかどうか、また来年テストしてみる予定です。


梅雨明けしたとなると今度は水切れのリスクが高くなります。芝生が水切れすると葉が巻くという情報を見たことがあるかたも多いと思いますが、「葉が巻く」ってどんな症状?と疑問に思われている方もおられるかもしれません。ちょうどレモングラスにその症状が出ていましたので見てみましょう。


レモングラスは芝生と同じイネ科の植物です。通常はこのように平たい葉です。稲の葉みたいな感じですね。


水切れしてくるとこのように葉が丸まってきます。これは葉からの蒸散(水分の発散)を防ぐための現象だと考えられます。水を与えてやると元通りの平たい葉に戻ります。これと同じ現象が芝生にも起きます。芝生でも水不足にすることなく水不足症状を確認することができますが、それはまた別の機会にご紹介します。


話は変わって、我が家では息子が帰省してくるとこのような車の止め方になるのですが、駐車場を芝生化している場合は日照不足に注意が必要です。リモートオフィスなどで急に生活スタイルが変わった場合や長期の旅行に出かける場合など、芝生の上に車を置きっぱなしにすると必ず日照不足になります。1日中太陽光があたらない状態が続きますと植物にとって最も重要である光合成ができなくなるため、徐々に弱り最終的には枯れてしまいます。駐車場を芝生化している方は長期間の止めっぱなしにならないようご注意ください。

関連記事:駐車場の芝生は車を駐めたままにすると枯れる

今年の梅雨は芝生にとっては良くない天候になりましたが、これから晴れの日が増えれば回復してくれると思います。調子が悪くなってがっかりしていたみなさん、今後の回復に期待しましょう。