芝生の目土入れについて

芝生を活性化する更新作業の一つに「目土入れ」があります。目土は芝生の萌芽を促したり、細く密な葉を形成するなど、さまざまなメリットがあります。しかし、デメリットもありますので、芝生の仕上がりレベルに合わせて施工した方がいいでしょう。




目土の役割

トンボ

目土には発芽や発根を促進する役割と、不陸(デコボコ)を修正する役割があります。新しく芝を張った時には、目土で覆ってやることで根付きや発芽を促進できます。春の萌芽期に目土をすることで発芽を促進して芝生を元気にすることもできます(春の更新作業の一環として行います)。また、不陸(ふろく:デコボコのこと)が生じた場合、へこんだ所に目土を入れることで平らにするメンテナンスもできます。 また、目土は芝の葉を細くし直立させる役割もあり、きめの細かい芝生に成長させることができます。


目土入れをする時期

芝生のシーズン中は基本的にいつ目土入れをしても大丈夫です。特に効果が高いのは春の立ち上げ時期です。更新作業の一貫としてやっておくと、その後の立ち上がりが促進されます。

真夏は一度にたくさん入れないよう注意が必要です。土に直射日光が当たるとかなり高温になることがありますので、葉や茎が傷んでしまうことがあります。できれば真夏は避けてください。

部分的に薄くなってしまった所の補修は通期で可能です。病虫害や踏圧からの回復などは、スーパーグリーンフード(SGF)のような発根を促す土壌改良剤を一緒に施工すると相乗効果によって修復が早くなります。SGFを多めに入れて上から目土をかぶせておきましょう。


目土は毎年必要?

春の萌芽期に毎年目土をする必要があるかと言えば、必ずしもそうではありません。ゴルフ場や競技場のように「使う芝生」の場合は適宜目土が必要になりますが、見て楽しむことが優先の一般家庭レベルなら数年に一度でも十分です。目土を全くせずに芝生の維持をしているところもあるくらいです。芝生がスカスカしている、元気がない、ランナーが露出している、不陸がひどいなどの問題がないのであれば、毎年やらなくても大丈夫です。私自身は目土の全面施工はせず、部分的な補修目的で目土を入れるようにしています。

目土のデメリット

目土のデメリットに、グランドレベルが上がるということがあります。旧広島市民球場では、数十年にわたって目土を入れ続けた結果、球場建設当初よりグランドが30cmも高くなってしまったそうです。昔の広島市民球場の外野フェンスが低く見えたのは、その影響も大きかったのでしょう。

家庭での目土も同じで、毎年5mmずつ入れたとしても10年後にはグランドレベルが5cmほど上昇することになります。場合によっては張り替えもしくはレイアウト変更などの処置が必要になるでしょう。目土を続けると確実にグランドレベルは上がりますので、それを前提として将来的な計画を立てることをお勧めします。

庭のレイアウトを考える時に、グランドレベルが上がっても大丈夫なようにしておくのも手です。 我が家の庭は、芝生の中に飛び石やレンガ・枕木などのアクセントがあり、目土入れをするとそれらが相対的に低くなってしまうので、補修目的でのみ部分的に目土をしています。全体に目土を入れた方がきれいで緻密な芝生になるのは分かっているので、悩ましいところです。

目土によって雨水桝と芝生に段差ができた

目土によって芝生のグランドレベルが上がってしまったので、雨水桝が低くなってしまいました。飛び石やレンガによる装飾も、低くなっているところがあります。これ以上段差をつけたくないので、全体的な目土はしていません。


目土の質

ホームセンターや園芸店で売っている目土にも、いろいろな種類があります。中には肥料入りのものもありますが、施肥を定期的にするのであれば肥料入りでなくてもかまいません。逆に部分的に目土をする場合に肥料入りを使いますと、そこだけ成長が旺盛になりムラが発生することがあります。肥料が入ってない目土の方が様々な用途に応用が利きます。

黒土や焼砂などをブレンドした黒目土

排水性と保水性のバランスを考慮し、特別にブレンドしてもらった黒目土。焼き黒土や川砂、ココピート、もみ殻くん炭、善玉菌が入っています。かなり贅沢な原料を使っていますから割高にはなりますが、管理人が自分で使うという前提で設計してもらいました。


砂状の目土

目砂はきめが細かく芝生の間に入りやすいのが特徴です。焼砂や川砂がお勧め。山砂は小石交じりのものもありますので、中身をよく確認してから選んでください。海砂は塩分が残っていることがありますから、やめておいた方がいいでしょう。
(砂についてはコンバインさんの芝生管理を参考にさせていただきました。コンバインさん、ありがとうございました。)


粒状目土

粒状の目土。どこのホームセンターでも目にする、かなりポピュラーなタイプだと思います。


目土の水はけ

目土の性質で私が一番重要視しているのが「水はけ」です。というのも、我が家の庭はやや水はけに難がありますので、できるだけ排水性の高い目土を使いたいからです。では、目土を水で湿らせて比較してみましょう。

水を含んだ砂状目土

砂状の目土は、さすがに浸透性抜群です。現在この砂を使用しているのは、この水はけの良さが一番の理由です。


水を含んだ粒状目土

粒状目土は粒の隙間を水が流れますので排水性抜群。また、それぞれの粒が保水しますので、適度な水分が保持されるでしょう。しかし、写真のように粒がつぶれてしまうと粘土状となり、水はけに難があります。人がよく踏むところには適さないのではないかという印象です。


以前は粒状の目土を使用していたのですが、雨などで目土が湿った後に雑草抜きで歩き回っていると、粘土状に踏み固められてしまったことがありました。元々水はけの悪い土壌の上に粘土状の層ができてしまうと、さらに水はけが悪くなってしまいます。ですので、それが分かってから以降は砂状の目土を使うようになりました。

目土の入れ方

トンボでならす方法

目土施工に使うトンボ

目土の施工はトンボがあると便利です。ホームセンターで1本1,000~1,500円くらいで売ってます。


目土を出す

芝生の上に目土をどさっと出します。


トンボで目土を慣らす

トンボを使って、目土をならしていきます。芝生を覆ってしまうのではなく、隙間にすりこんでいくような感じでやってください。1回あたりの目土入れは平米2~3リットル(厚さ2~3ミリ程度)が目安ですが、トンボでならす方法はもう少し厚めに入るでしょう。


目土後はたっぷり散水

芝生の目土を入れた後は、たっぷり水をやっておきましょう。より平らな芝生を目指すのであれば、ローラーが必須です。予算や置き場所に余裕のある方は挑戦してみてください。


デッキブラシですりこむ

デッキブラシで目土をすりこむ

砂による部分的な補修の場合は、幅広のデッキブラシなどでですりこむ方法もあります。


手押し式のスプレッダーを使う

手押し式スプレッダーで目土を散布

芝生を薄く入れるなら手押し式のスプレッダーがイチオシです。この方法なら、薄く入れることとと均一に入れることが両立できます。もちろん、芝生用ローラーで仕上げができれば理想ですね。



■手押しスプレッダー(散粒機)で目土を散布する様子




目土を入れる場合は、更新作業のひとつとしてサッチングやエアレーション、施肥などと組み合わせて行うのが効果的です。グランドレベルが気にならない方は、毎年やることでより緻密な芝生を楽しむことができるでしょう。グランドレベルが気になる方は、エアレーションや土壌改良剤によって現在の土壌をできるだけ良い状態に維持するようにしてください。