日本芝(高麗系)の6月の手入れ

6月の姫高麗芝の様子

6月になるとさらに芝生の生育が旺盛になり、本格的な芝生シーズンに入ります。また梅雨に入る時期でもあります。雨が降ると芝刈りなどの手入れができませんので、梅雨の合間の晴れ間を逃さないように芝生のお手入れをしてください。


芝生の雑草対策

芝生が密になっているところは雑草が生えにくくなるため、抜き取りはやや楽になるでしょう。密度が上がっていない芝地では雑草の勢いも旺盛になりますので、早めに抜き取るか除草剤で駆除しておきましょう。

除草剤の中には気温が高くなると薬害が出やすくなるものもあります。メーカーや販売店に確認してから散布してください。散布が遅くなるほど草が大きくなってしまい、除草剤の効果は薄れます。

芝刈り

刈り高15~20mmくらいを目安に芝刈りをします。刈り高を低くするほどきれいに見えますが、その分手間や難易度も上がります。本格シーズンに入ると旺盛に伸びるますので、様子を見ながらこまめに芝刈りしてください。梅雨時期になると芝刈りのタイミングを逃しやすいですから、天気予報をチェックして晴れの日があれば早めに芝刈りしておきましょう。チャンスを逃すと伸びすぎになることもあります。

長くなってから一気に刈ると芝生へのストレスも大きくなり、病害にかかりやすくなることもあります。さらに伸ばし過ぎると軸刈りになり、見た目が悪くなるばかりでなく芝生にダメージを与えてしまいます。一度や二度の軸刈りでは枯れてしまうことはありませんので、軸刈りになった部分はさらに低く刈ってしまいましょう。そうすることで次回からの軸刈りを防ぐことができます。20ミリで軸刈りになった部分はそこから葉が出てくるため、次回以降も20ミリで刈る限り軸刈りになります。

関連ページ:芝刈りについて

芝生の水やり

雨が適度に降るようなら基本的には必要ありませんが、空梅雨で晴天が続く場合は様子をみて水やりしてください。芝生が水不足になると、葉が細く丸まって黒ずんできます。水やりは少量を毎日やるのではなく、たっぷりやって地面にしみ込ませるのがポイントです。水やりを少量で頻繁にすると、芝生が地中の浅い部分から水分を摂取しようとしますので、根が短くなってしまいます。たっぷりやって地中深くまでしみこませ、芝生の根に水分を追わせるようにしてください。

関連ページ:芝生の水やりについて

芝生の施肥

芝生用の肥料を適量与えます。粒状肥料を使用する場合は、散布後に必ずたっぷり水をやって肥料の粒を落ち着かせてください。気温が高い時期に散布したままにしておくと肥料焼けを起こす事があります。

長雨になりそうな場合は施肥を控えてください。日照不足と雨によって徒長しやすいところにチッソが入るとさらに助長されます。雨で芝刈りができない日が続くと伸びすぎになる可能性があります。

関連ページ:芝生の肥料について

芝生の病虫害

最高気温が28~30℃付近になってくると、葉枯病が発症することがあります。葉枯病は非常にしつこい病害で、病原菌の繁殖力や感染力はかなり旺盛です。管理人宅でも毎年発生していますが、ケイ酸やカルシウムで葉の強化をしながら、カリで生理作用を促進させて健全化を図り、さらに土壌の有用菌を増やす方向で管理することで対処しています。ただし、無農薬では完全に抑制することは難しい病害ですから、発症自体を抑えたい場合は殺菌剤の使用を検討してください。詳しくは「芝生の病害対策について」をご参照ください。

湿度が高くなるにつれキノコも発生しやすくなります。キノコはそれ自体が芝生を攻撃することはほとんど無いようですが、土壌中に菌糸を張り巡らせることで根の生育や呼吸を阻害したり、土壌の透水性が悪くなって土壌中の水分が少なくなり、肥料濃度が上がりすぎるなどの問題が発生します。キノコ対策は、エアレーションで土壌通気性を高めることや、キノコのエサとなる有機物(サッチや古い根など)を除去して基本的な予防をします。これに加えてアルムグリーンなどの資材を併用すると相乗効果が高まります。詳しくは「芝生のキノコ対策」をご参照ください。

害虫は芝生のシーズン中は常に何かがいると思っていた方がいいでしょう。芝生の成長よりも食害の方が大きくなれば被害が目立ちますし、食害よりも芝生の成長の方が旺盛であれば被害はさほど目立ちません。芝生の健全性を高めることで、芝生体内に害虫が好む成分が蓄積されにくくなります。そうすることで害虫が寄り付きにくい芝になります。また、害虫を忌避する成分が入った資材を併用することも相乗効果を高めてくれます。詳しくは「芝生の害虫対策について」をご参照ください。

雨が続くとミミズの塚も出来やすくなります。ミミズはサポニンを含む資材で駆除します。詳しくは「芝生のミミズ対策」をご参照ください。




寒地型西洋芝の6月の手入れ

最高気温が寒地型西洋芝の適温を上回り始め、高温多湿を嫌う寒地型西洋芝にとってつらい時期がスタートします。また梅雨時期は徒長も多くなるため、5月に引き続き葉の伸びが旺盛です。


芝刈り

成長旺盛な状態が続きますので、週2回を目安に芝刈りをしてください。梅雨で雨が多くなると芝刈りのタイミングが難しくなります。早めに芝刈りをすることで伸ばしすぎにならないよう対応してください。

水やり

雨が多い場合は散水頻度を減らします。空梅雨でしたら1~2日に1回ぐらいを目安に散水してください。水切れは夏越しのための体力を奪いますから、天候と芝生の様子を見ながら適度に散水してください。

肥料

粒状肥料(固形肥料)を説明書通りに与えます。肥料によって散布時期やタイミングが異なりますので、説明書の通りに散布してください。応用的な使い方ができる方は様子を見ながらタイミングや量を調整してください。

カルシウム液肥を積極的に与えると徒長を抑制できます。ただし、チッソを同時に与えると徒長防止効果が失われます。また天候不良で日照不足になりやすい時期ですから、ケイ酸、鉄、苦土、カリを与えて光合成や生理移行を促進してください。ケイ酸、カルシウムを与えることで葉の表層や細胞壁が強化されて対病性が高まります。

病気

梅雨時期の多湿は病原菌の活動を活発にします。雨天が続く状況で発病すると対処が難しい場合がありますので、症状が深刻になる前に予防資材や殺菌剤で抑制しておきましょう。

■発生の可能性がある病害
さび病、サマーパッチ、ダラースポット病、立ち枯れ病、ドライスポット(*)、ピシウム病、フェアリーリング病、ブラウンパッチ(葉腐病)、ヘルミントスポリウム葉枯病、ほこりかび病、炭疽病、細菌病

*ドライスポットは砂をメインにした床土で発生しやすい症状です。

害虫

11月ごろまでは常に何らかの害虫が存在している可能性があることを前提に対処してください。発生数が多い場合は被害が大きくなりやすいですから、早めに対処しておきましょう。

部分的に枯れる、密度が低下する、地上部分がポロポロ取れるなど、害虫の食害と思われる症状が発生したら即効性のあるスミチオンなどを散布して駆除しておきましょう。予防的な薬剤散布をする場合は、食毒性のオルトランやダイアジノンを使用します。食毒性の殺虫剤は、薬剤が芝生に浸透することによってそれを食べた害虫が殺虫されます。食毒性の殺虫剤は薬が触れて殺虫するものではありませんので、薬剤の特徴を理解して使用してください。

夏越しの準備

寒地型西洋芝は、夏になると日中の高温と強い日差しによって光合成ができなくなります。光合成ができなくなると、体内に蓄積された養分を逆転させて生存のためのエネルギーに転換します。そのため、春から夏前にかけて栄養をしっかり吸収させ、健全な成長を促して栄養を蓄積させておく必要があります。ケイ酸、カルシウム、カリ、鉄、苦土、その他の微量葉素を適度に入れて、健全成長を促してください。6月になると最高気温が適温を上回る時間帯が長くなります。また梅雨時期とあって多湿にもなりますから、寒地型西洋芝が苦手とする気候になります。伸ばしすぎて一気に刈ったり、肥料や水の過不足、病虫害などでストレスを与えて体力を奪わないように注意してください。