農薬の安全性ってどうなの?

家庭の芝生に農薬を使っても大丈夫なのか

農薬の安全性はメールや電話での問い合わせでよくいただく質問の一つです。特に多いのが「芝生で子供やペットを遊ばせているのだけど、農薬を使っても大丈夫か」という質問です。私自身は農薬の注意事項をしっかり読んで正しく使えば危険なことはないという認識ですが、「100%安全です」とみなさんに「保証」することはできません。その理由は、どういう使われ方をするのか想定できないこと、注意事項をしっかり守っていただけるのかが分からないことなど、不確定要素があるためです。

また、なにか問題が起きた場合に、直前に散布した資材のせいにされることが多いということもあります。農薬の事例ではありませんが、とある資材を散布した日の夕方にかぶれのような症状が出た方がいらっしゃいました。その方は資材にかぶれたのではないかということで問い合わせをしてこられましたが、その日の作業内容や症状からしてイラガにやられた可能性が最も高いであろうという結論に至りました。

上記のイラガの事例では、問い合わせをいただいたので誤解が解けましたが、資材のせいでかぶれたと思い込まれたままだとすると、その方にとっては資材が安全ではないという認識になるでしょう。

農薬の安全性については、人それぞれの価値観や考え方に大きく左右されるため、おそらく万人が納得のいく回答をすることはできないと思います。もしあなたが100%の安全を求めたいと思ったとしても、それを保証してくれる人は誰もいません。

ただし、農薬には大きなメリットもあり、正しく使っている限りは問題が生じないように設計されています。それが証拠に、農家やグリーンキーパーなどプロフェッショナルな現場では有効に活用されています。一般家庭ではプロのように仕上がりを強制されることもありませんから、農薬のメリットと価値観や考え方を天秤にかけながら、農薬とうまく付き合っていただければと思います。




ペットと農薬

芝生でペットを遊ばせるのに農薬を使っても大丈夫?

ワンコを遊ばせたいから芝生を植えているという方もたくさんおられます。我が家でも先代柴犬(通称:現場監督)を芝生でよく遊ばせていました。今は二代目柴犬(通称:看板娘)がいます。

ペットを飼っているからできるだけ農薬は使いたくない。その気持ちはすごく分かります。特にワンコの場合は芝生に鼻をくっつけて臭うこともありますし、芝生をかじる子もいます。犬が芝や草を食べるのは諸説あるようですが、ある種の習性のようなものでしょう。直接食べてしまうわけですから、飼い主として心配するのは当然のことだと思います。

農薬を使わなければならないという決まりはありせんから、不安なら使わなければいいのです。その代わり、仕上がりや手間という面に影響は出ますから、それらとの折り合いをどうつけるかが重要です。

農薬を使用するにしても、食べても大丈夫なうように浸透性(芝生に薬剤が吸収されて効果を発揮するタイプ)のものは使わない、散布から1週間ぐらいは期間を空ける、雨がたっぷり降るまで待つなど、できるだけ配慮することによって心配を減らすこともできます。




農薬を使うと何が違うのか─農薬のメリット

芝生で農薬を使うことのメリットは多い

使うのをためらう方も多い農薬です、大きなメリットがあるのも確かです。一つは効果がはっきりしていること、もう一つは手入れが劇的に楽になることでしょう。

農薬ですから成分には薬品が含まれており(ごく一部に薬品を使わない農薬もあります)、その効果ははっきり体感できることが多々あります。薬品を使わない自然成分の資材ですと一発で効かせるのは難しいため定期散布が基本ですが、薬品は一度散布するだけで劇的に環境改善できます。

スーパーで手ごろな値段で売られている農作物は基本的には農薬が使われており、慣行農法(ごく一般的な農作物の生産方法)として確立されています。農薬を使うことによって手間が激減するため手ごろな価格で私たちは農作物を手に入れることができます。

実際に、管理人の自宅でも毎年のように発生するしつこい病害のカーブラリア葉枯病に殺菌剤を使用したことがありましたが、その効果は歴然としていて、散布後は症状が治まり、1ヶ月ぐらいは発症しない環境が続きました。

農薬を使って感じることは、ものすごく楽になるということです。また、心配のタネも減って天候不良が続いてもやきもきしなくていいという精神的な安心感もあります。

シーズンを通じてよりパーフェクトな状態を目指したい方は、無農薬にこだわりすぎず、農薬を適切に取り入れてみることをお勧めします。(管理人は農薬を使わずに解決する方法を探究することも楽しみの一つとしていますので、あえて農薬を使わないのですが、無農薬の管理方法をみなさんに押し付けるつもりはありませんし、農薬が全て悪であるという価値観もありません。)

芝生用の農薬

芝生の殺菌剤


芝生の殺虫剤


芝生の除草剤