日本芝(高麗系)の6月の手入れ

6月は成長が旺盛になり芝生の様相がガラっと変わる

6月の姫高麗芝の様子

6月になるとさらに芝生の生育が旺盛になり、本格的な芝生シーズンに入ります。芝生の様相がガラっと変わって絨毯のようになる様を実感できるでしょう。また、6月は梅雨に入る時期でもあります。雨が降ると芝刈りなどの手入れができませんので、梅雨の合間の晴れ間を逃さないよう、早め早めに手入れをしてください。芝刈りが早すぎて問題が起きることはありませんが、遅れると芝生に負担をかけたり軸が上がるなどの問題が生じることがあります。

気温が上がり30℃を超える日が続くようになると、農薬の薬害や資材の焼けが発生しやすくなります。気温の高い日は炎天下の資材散布を避けて、朝か夕方の涼しい時間帯にしてください。


芝生の雑草対策

芝生が密になっているところは雑草が生えにくくなりますが、雑草の生長も旺盛な時期になりますから油断大敵です。密度が上がっていない部分に雑草がはびこると、あっというまに占拠されてしまいますから早めに対処してください。特にメヒシバのような成長旺盛な雑草には要注意です。

シバキープII粒剤やシバゲンDFなどの発芽抑制の効果がある除草剤を散布しておくと雑草が生えにくくなります。

気温が高くなるほど除草剤の薬害が出やすくなります。除草剤を予定している場合は早めに散布しておきましょう。最高気温が連日のように30℃を超える時期に入ったら除草剤の散布を見送り、秋になって気温が下がってからにしてください。(ごく一部に気温が高くても薬害が出にくい除草剤もあります)

芝刈り

刈り高15~20mmくらいを目安に芝刈りをします。刈り高を低くするほどきれいに見えますが、その分手間や難易度も上がります。本格シーズンに入ると旺盛に伸びるますので、様子を見ながらこまめに芝刈りしてください。梅雨時期になると芝刈りのタイミングを逃しやすいですから、天気予報をチェックして晴れの日があれば早めに芝刈りしておきましょう。

芝生を伸ばしすぎてから一気に刈ると芝生へのストレスも大きくなり、病害にかかりやすくなることもあります。さらに伸ばし過ぎると軸刈りになり、見た目が悪くなるばかりでなく芝生にダメージを与えてしまいます。一度や二度の軸刈りでは枯れてしまうことはありませんので、軸刈りになった部分はさらに低く刈ってしまいましょう。そうすることで次回からの軸刈りを防ぐことができます。20ミリで軸刈りになった部分はそこから葉が出てくるため、次回以降も20ミリで刈る限り軸刈りが繰り返されます。

関連ページ:芝刈りについて

芝生の水やり

雨が適度に降るようなら基本的には必要ありませんが、空梅雨で晴天が続く場合は様子をみて水やりしてください。芝生が水不足になると、葉が細く丸まって黒ずんできます。水やりは少量を毎日やるのではなく、たっぷりやって地面にしみ込ませるのがポイントです。水やりを少量で頻繁にすると、芝生が地中の浅い部分から水分を摂取しようとしますので、根が短くなってしまいます。たっぷりやって地中深くまでしみこませ、芝生の根に水分を追わせるようにしてください。

関連ページ:芝生の水やりについて

芝生の施肥

芝生用の肥料を適量与えます。粒状肥料を使用する場合は、散布後に必ずたっぷり水をやって肥料の粒を落ち着かせてください。気温が高い日中に散布したままにしておくと肥料焼けを起こす事があります。

長雨になりそうな場合は施肥を控えてください。せっかくまいた肥料が雨で流失してしまうこともあります。また、日照不足と雨によって徒長しやすいところにチッソが入るとさらに助長されます。雨で芝刈りができない日が続くと伸びすぎになる可能性があります。液肥で補いながら様子を見てください。(液肥は即効性はありますが、1回あたりの栄養素の投入量は少ないです)

関連ページ:芝生の肥料について

芝生の病気

最高気温が28~30℃付近になってくると、カーブラリア葉枯病(ヘルミントスポリウム葉枯病)が発症することがあります。葉枯病は非常にやっかいな病害で、病原菌の繁殖力や感染力はかなり旺盛です。管理人宅でも毎年発生していますが、ケイ酸やカルシウムで葉の強化をしながら、カリで生理作用を促進させて健全化を図り、さらに土壌の有用菌を増やす方向で管理することで対処しています。ただし、無農薬では完全に抑制することは難しい病害ですから、発症自体を抑えたい場合は殺菌剤の使用を検討してください。詳しくは「芝生の病害対策について」をご参照ください。

湿度が高くなるにつれキノコも発生しやすくなります(フェアリーリング病)。キノコはそれ自体が芝生を攻撃することはほとんど無いようですが、土壌中に菌糸を張り巡らせることで根の生育や呼吸を阻害したり、土壌の透水性が悪くなって土壌中の水分が少なくなり、肥料濃度が上がりすぎるなどの問題が発生します。

無農薬によるキノコ対策は、エアレーションで土壌通気性を高めることや、キノコのエサとなる有機物(サッチや古い根など)を除去して予防をします。これに加えてアルムグリーンや有機酸酵素EXなどの有機酸資材を週1回ペースで散布すると相乗効果が高まります。すでに多発してどうしようもない場合や農薬での対処は、フェアリーリング病に効く殺菌剤(サプロール乳剤、タフシーバフロアブルなど)を散布してください。詳しくは「芝生のキノコ対策」をご参照ください。

2018年6月1日追記:近年の研究ではキノコ菌によって逆に成長促進作用のある物質が作られていることが発見されたようです。『フェアリーリングが世界を救う?
え?じゃあキノコはいい奴じゃん、と言いたいところですが、芝生では枯れるという現象が出ることもありますから、やはり対処しておくに越したことはないと考えられます。うまく共生する方法が見つかれば考え方が変わるかもしれませんね。そのうち人間だけでなく芝生用にもキノコサプリが出てくるかも?

芝生の害虫

害虫は芝生のシーズン中は常に何かがいると思って警戒しておいてください。芝生の成長よりも食害の方が大きくなれば被害が目立ちますし、食害よりも芝生の成長の方が旺盛であれば被害はさほど目立ちません。芝生の健全性を高めることで、芝生体内に害虫が好む成分が蓄積されにくくなり、害虫が寄り付きにくい芝になります。また、害虫を忌避する成分が入った資材を併用することも相乗効果を高めてくれます。詳しくは「芝生の害虫対策について」をご参照ください。

芝生に枯れ(冬枯れのような色に枯れる)が発生したり急に密度が低下してきたりした場合は、早めにスミチオンなどの接触性殺虫剤(薬が害虫に触れると殺虫されるタイプ)で駆除しておきましょう。あらかじめ予防的に対処する場合は、被害が出る前にオルトランなどの浸透性殺虫剤(芝生に薬剤が浸透することによって、それを食べた害虫が死ぬタイプ)を定期散布してください。

雨が続くとミミズの塚も出来やすくなります。ミミズはサポニンを含む資材で駆除します。詳しくは「芝生のミミズ対策」をご参照ください。


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寒地型西洋芝の6月の手入れ

6月は寒地型西洋芝にとってつらい時期のスタート

最高気温が寒地型西洋芝の適温を上回り始め、湿度が高くじめじめした日が多くなる6月は、高温多湿を嫌う寒地型西洋芝にとってつらい時期のスタートです。また梅雨時期は徒長も発生するため、5月に引き続き葉の伸びが旺盛です。


芝刈り

成長旺盛な状態が続きますので、週2~3回を目安に芝刈りをしてください。梅雨で雨が多くなると芝刈りのタイミングが難しくなります。早めに芝刈りをすることで伸ばしすぎにならないよう対応してください。早すぎる芝刈りで問題が生じることはありませんが、遅れると芝生に負担がかかったり軸刈りになるなどの問題が生じやすくなります。

水やり

雨が多い場合は散水頻度を減らします。空梅雨でしたら1~2日に1回ぐらいを目安に散水してください。水切れは夏越しのための体力を奪いますから、天候と芝生の様子を見ながら適度に散水してください。

肥料

粒状肥料(固形肥料)を説明書通りに与えます。肥料によって散布時期やタイミングが異なりますので、説明書の通りに散布してください。応用的な使い方ができる方は様子を見ながらタイミングや量を調整してください。

カルシウム液肥を積極的に与えると徒長を抑制できます。ただし、チッソを同時に与えると徒長防止効果が失われます。また天候不良で日照不足になりやすい時期ですから、ケイ酸、鉄、苦土、カリを与えて光合成や生理移行を促進してください。ケイ酸、カルシウムを与えることで葉の表層や細胞壁が強化されて対病性が高まります。

栄養をバランスよく与えることで、夏越しのための体力を温存させることができます。

病気

梅雨時期の多湿は病原菌の活動を活発にします。雨天が続く状況で発病すると対処が難しい場合がありますので、症状が深刻になる前に予防資材や殺菌剤で抑制しておきましょう。

■発生の可能性がある病害
さび病、サマーパッチ、ダラースポット病、立ち枯れ病、ドライスポット(*)、ピシウム病、フェアリーリング病、ブラウンパッチ(葉腐病)、ヘルミントスポリウム葉枯病、ほこりかび病、炭疽病、細菌病

*ドライスポットは砂をメインにした床土で発生しやすい症状です。

害虫

シーズン中は常に何らかの害虫が存在している可能性があることを前提に対処してください。発生数が多い場合は被害が大きくなりやすいですから、早めに対処しておきましょう。

部分的に枯れる、密度が低下する、地上部分がポロポロ取れるなど、害虫の食害と思われる症状が発生したら即効性のあるスミチオンなどを散布して駆除しておきましょう。予防的な薬剤散布をする場合は、食毒性のオルトランやダイアジノンを使用します。食毒性の殺虫剤は、薬剤が芝生に浸透することによってそれを食べた害虫が殺虫されます。食毒性の殺虫剤は接触毒の効果が無いものもありますから、薬剤の特徴を理解して使用してください。

夏越しの準備

寒地型西洋芝は、夏になると日中の高温と強い日差しによって光合成ができなくなります。光合成ができなくなると、体内に蓄積された養分を逆転させて生存のためのエネルギーに転換します。そのため、春から夏前にかけて栄養をしっかり吸収させ、健全な成長を促して栄養を蓄積させておく必要があります。ケイ酸、カルシウム、カリ、鉄、苦土、その他の微量葉素を適度に入れて、健全成長を促してください。6月になると最高気温が適温を上回る時間帯が長くなります。また梅雨時期とあって多湿にもなりますから、寒地型西洋芝が苦手とする気候になります。伸ばしすぎて一気に刈ったり、肥料や水の過不足、病虫害などでストレスを与えて体力を奪わないように注意してください。


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