芝生の肥料の選び方や使い方を知ろう

芝生の発芽が始まる3月頃から11月頃までは、肥料を与えてやる必要があります。ここでは、肥料の成分や肥料のやり方、選び方、注意点などについて解説していきます。肥料無しでは密な芝生を育てることはできせんので、用量用法を守って与えてやりましょう。





肥料の成分

多量要素(肥料の主成分・三大要素)

芝生の肥料三大要素 芝生が必要とする肥料に欠かせない三要素が「窒素・リン酸・カリウム」です。肥料の成分表示では「N・P・K」と書かれることも多く、配合される割合は「8-8-8」や「10-10-10」などと数字のみで表示されます。「10-10-10」なら窒素・リン酸・カリがそれぞれ10%ずつ含まれているということになります。「窒素・リン酸・カリウム」は、植物の生長に要求される量が多量なことから多量要素として分類されます。

成分 働き
窒素(N) 葉や茎の成長を促進します。窒素が適度に与えられていると葉色が良くなり、ぐんぐん生長します。やりすぎると病虫害に弱い軟弱な芝生になってしまいます。葉肥(はごえ)とも言われます。

植物は光合成によって 窒素→アミノ酸→たんぱく質・糖 に生理移行させて成長します。天候不良や日陰などの影響で光合成が不足すると、途中段階のアミノ酸が体内に蓄積し、それを好む害虫や病原菌に侵されるリスクが高まります。

リン酸(P) 根の発育や芽の分けつなど、植物の生長に大きく影響します。生長初期段階では特に重要な成分になります。花肥(はなごえ)や実肥(みごえ)とも言われます。

春の立ち上げ時期には少し多めに入れてもいいですが、旺盛に成長する時期になってからあまり与えすぎると秋の出穂が多くなることがあります。このあたりは、窒素とリン酸の比率によっても変わると思われますので、穂の多さが気になる場合は肥料のやり方を調整してください。管理人宅では硫安(窒素の単肥)をしっかり与えることで穂が少なくなっています。

※穂の数は、肥料だけでなく環境も影響するようですので、肥料比率だけで解決できるとは限りません。

カリウム(K) 根の生長を促します。また、根や茎や葉を丈夫にし、耐病性を高める役割もあります。カリ・加里と表記されることもあります。根肥(ねごえ)とも言われます。

管理人宅では、ラージパッチの治癒に即効性のカリを含んだ肥料を与えて対処することがあります。カリウムの中で最も吸収が早いとされる硝酸カリを含有するスーパー・ポリ・スピリットを定期散布することで生理移行を促進し、体内の余分なアミノ酸を減らして病原菌のエサを減らす方法になります。

中量要素

中量要素の成分表示 肥料の三大要素以外にも重要な成分「カルシウム・マグネシウム・硫黄」があります。これらも多量要素として分類されることが多いのですが、多量要素ほどは必要ないという意味から「中量要素」として分類されることもあります。(写真はマグネシウムの苦土が混入されている例)

成分 働き
カルシウム 細胞壁を強化し、しっかりした植物体になります。窒素をひかえめにしてカルシウムを多く与えると葉の伸びを抑える効果があります(徒長防止)。
マグネシウム 葉色を良くし、光合成の能力を高める働きがあります。
硫黄 タンパク質の合成に必要な要素。葉の色がよくなり、光合成を促進してくれます。

 

微量要素

必要量はごく微量でも、植物にとって重要である要素に「マンガン・ほう素・鉄・亜鉛・銅・モリブデン・塩素・ニッケル」があります。微量要素はたんぱく質合成に欠かせない酵素を作るのに必須の元素も多いですから、これらが欠乏すると生理障害が起き、病気のような症状や芝生の元気がなくなるなどの症状が現れます。手入れをしているのに芝生が年々元気が無くなるような場合は、微量要素不足も原因の一つとして考えられます。
管理人宅で使用している資材で微量要素肥料としてお勧めできるのは、スーパーグリーンフードです。土壌改良や植物の活性向上、サッチ分解などの効果があり、微量要素もしっかり含んでいます。芝生を元気にするだけでなく、病害や踏圧で傷んだ場所の修復にも活用しています。
また、土壌浸透剤のアクアセーフGにも微量要素が含まれていますから、葉面散布で与えたい場合はこちらがお勧めです。土壌浸透剤には、土壌の浸透性を高める効果だけでなく、肥料などの吸収を高める効果もありますから、他の液体資材と混合散布することで相乗効果も期待できます。(液体資材によっては混合散布しない方が良いものもありますから、製品の説明書をよく読んでから判断してください)

 

肥料の選び方・まき方

芝生にはどんな肥料を与えればいい?

ゴルフ場が使う芝生の肥料バーディーエース 窒素・リン酸・カリがバランスよく配合された化成肥料が扱いやすくていいでしょう。芝生用として売られている化成肥料は「8-8-8」「10-10-10」くらいの配合のものが多いです。ですので、芝生用と書かれていなくても同程度の配合量の化成肥料なら大丈夫です。肥料には粒状と液体があります。粒状肥料は即効性がやや劣りますが、効果が長く持続します。液肥は即効性が高いかわりに持続性が劣ります。それぞれの特徴をふまえて使用すれば、どちらを使っても芝生はきれいに生長してくれます。粒状肥料で肥料焼けを心配する方もいらっしゃいますが、今まで私が使ってみた範囲では肥料焼けを起こすことはありませんでした(芝生の隙間に入り込む粒の小さい肥料を選び、散布後にしっかり水をまいて落ち着かせるのがポイントです)。
芝生の肥料

化成肥料のデメリット

手軽で便利な化成肥料ですが、デメリットがひとつあります。それは、化成肥料を使い続けていると、微量要素不足などの「土地痩せ」になる可能性が高いということです。数年間化成肥料を使い続けており、エアレーションやサッチング・目土などの手入れをきちんとしているのに芝生の成長が今一つ、もしくは病気のような生理障害が出ている場合は、微量要素不足が疑われます。(上記の微量要素の項目をご参照ください)

肥料のまき方

芝生肥料のまき方 肥料によって散布時期や平米あたりの散布量が異なりますので、用量用法をよく確認してください。
粒状肥料の場合は、手でパラパラと均等に散布します。成人男性の手でひとつかみが約40~50グラムほどですから、それを基準に散布します。量りで自分のひとつかみの量を確認しておくのもいいですね。粒状肥料は粒の散らばり具合、液肥は散布しながら歩くスピードを覚えておけば、ほぼ用量を守って散布できます。散布ムラが激しくなると、芝生の色にもムラができますので、なるべく均等になるように散布するのがポイントです。芝生の面積が広い場合は、肥料散布器を使うとより均一に散布することができるでしょう。
液肥の場合はキャップが軽量カップになっていますので、決められた希釈倍率に薄めて散布します。1平米2リットル必要な液肥なら、10リットルジョウロで5平米散布できます。1×5mくらいの範囲でジョウロが空になるペースで散布してください。

管理人おすすめの肥料

私が自宅で愛用している肥料は、万緑-NHTとエンザアミンの組み合わせです。この組み合わせによって、窒素・リン酸・カリの主要三要素だけでなく、サッチ分解、耐病性向上(ケイ酸・カリ)、光合成促進(鉄・苦土・ケイ酸)、病原菌抑制(サッチ分解菌による作用)、発色向上(鉄・苦土)、耐候性向上(トレハロース=糖)などの効果が期待でき、多機能肥料として活用しています。

(管理人のショップ「松浦商店」で販売しています。自分が使いたいものばかり集めた、ちょっとマニアックなお店です。)