芝生が枯れるトラブル

芝生の生理障害の一つ黄化現象の原因と対策

葉が黄色くなる黄化現象の発生は珍しくない

芝生の黄化現象

芝生に出る症状として比較的よく遭遇するのが、葉が黄色くなる症状(黄化現象)です。初めてこの症状を見ると「このまま芝生が枯れてしまうのでは」と心配になることもあると思いますが、よほどのことが無い限り枯れてしまうようなことはありません。どういう時に黄化が出やすいのかを理解しておけば、あわてなくて済むでしょう。





春は黄化現象が出やすい

春の立ち上がりで発生した芝生の黄化現象

日本芝の春の立ち上がりは、地上部分(茎や葉)の成長が先行し、根は成長が遅れがちになります。このため、地上部分の生育が早すぎると根からの栄養吸収が追いつかず、栄養バランスの崩れから黄化現象が出ることがあります。鉄不足が原因であることも多いので、鉄を含む液肥を散布することで緩和されることもあります。

予防策として、あらかじめ鉄を豊富に含む肥料を与えておいたり、ミネラル(微量要素)のバランスを考えて施肥をしておくことをお勧めします。春の黄化は、よほどひどい原因でない限りは生育が進むとともに解消に向かいますので、あまり心配しすぎないようにしてください。

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日照不足による黄化

芝生は日差しが大好きな植物です。日照が不足することでも様々な不具合が生じやすく、黄化現象もその一つです。日照不足だけで黄化するというのはよほどの気象条件でないと無いと思いますが、根の成長が遅れている状況と重なったりすると相互作用によって黄化が発生しやすくなることがあります

日照不足による黄化の場合は、天候が回復するのが一番の解決法です。ただし、建物や塀などで日照が不足する場合は、慢性的に黄化が発生することがあります。

天候による症状の場合は、資材散布によって劇的に変わるということは期待しにくいですが、やらないよりはマシと考えて散布するなら、生理移行を促進するカリを豊富に含んだ液肥や、光合成に影響する鉄や苦土を含んだ液肥を散布しておくといいでしょう。

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春は意外と水不足になることがある‐水不足による黄化

春にも芝生に散水が必要なことがある

春はまだ積極的に散水をする時期ではありませんが、雨が降らない日が続いたり風の強い日が続くなど気象条件によっては乾燥が進んで水不足になることがあります。

芝生は土壌に水分が無ければ栄養を根から吸収することができず、栄養バランスの崩れから黄化が発生することがあります。また、肥料散布後に土壌が乾燥しすぎると、土壌に溶け出した肥料濃度が上がり、根が傷むことがあります。根が傷むと栄養や水分の吸収が妨げられますので、黄化の原因になることがあります。

春も天候次第では水を与え、黄化が発生しないようにしてください。

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芝張り直後は黄化が出やすい

芝張り後に黄化した芝

芝生を張った直後も黄化症状が出ることがあります。切り芝(ソッド)は、芝生の生産圃場から切り出される時に根を切断されて非常に短くなっているため、養分吸収がうまくいかないことがあります。このことから栄養バランスが崩れて黄化の原因になることがあります。

切り芝が根付いて栄養吸収がしっかりできるようになるのを待つしかありませんが、発根を促進させる資材で根の生育を促すことで回復を早めることができるかもしれません。

芝生がしっかり活着(かっちゃく:根付くこと)し、健全な成長ができるようになると自然に解消します。

肥料による根傷み

犬のおしっこで枯れと黄化が発生した芝生

青々した芝を目指して肥料を与えたのはいいけど、土壌中の肥料濃度が上がりすぎて根が傷み、それが原因で黄化が発生することもあります。特に根の生育が遅れがちな春の施肥には要注意です。

肥料散布後に散水をすることで土壌溶液(土壌中の水分)に肥料成分が溶け出しますが、乾燥した天候が続いた場合は土壌溶液の濃度が上がってしまい、根が傷むことがあります。根の周りに濃い塩水が存在する状態を想像すると分かりやすいと思いますが、浸透圧の関係で根が水分を吸いにくい状態になることがあります。水分が吸えない=栄養も吸収できない=光合成もできない となって、生理的な不具合が生じます。

根の成長が遅れがちで、なおかつ散水をあまりしない春は肥料散布後の水分量に注意してください。肥料散布後に好天が続いて土壌が乾燥するような場合は散水をして土壌中の肥料濃度が濃くなりすぎないように調整しましょう。

写真はワンコのおしっこで枯れた芝と、その周辺が黄化している様子です。おしっこは肥料のようなものですから、濃すぎる部分は枯れ、その周辺は濃度障害による黄化現象が出ています。

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除草剤による黄化

除草剤で黄化した芝生

春は雑草も一斉に生えてくる時期です。除草剤で対処するのが一番楽で確実な方法ですが、除草剤の用法を間違えると芝生が黄化することがあります。ただし、よほど量を間違えない限りは芝生が枯れてしまうことはありません。時間の経過とともに徐々に回復するでしょう。ただし、秋になって生育が衰える時期に除草剤の散布量を間違えると、回復せずに休眠してしまうため、翌年まで影響が残ることもあります。

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芝生の黄化は自然解消するものが多いですから、あわてて肥料をたくさんまいて悪化させたりしないようにしましょう。