芝生に降雪があったらどうすればよいのか
根雪にならない地域は基本的に放置でよい
冬の寒さが厳しくなると、めったに雪が降らない地域でも積雪することがあります。当然、芝生の上にも雪が積もることになりますが、根雪にならない地域では放置で構いません。雪が自然に融けるのを待ちましょう。
しばしの雪景色を楽しむのも、四季がある日本ならではと言えます。
根雪になる地域は降雪前に雪腐病の予防をしておく
根雪になる地域では寒地型西洋芝を植えてあるケースも多いと思います。寒地型西洋芝は根雪の下で進行する雪腐病のリスクがありますので、降雪前に殺菌剤で予防しておきましょう。根雪で芝生が確認できない状況で静かに進行するのが雪腐病ですから、春の雪解け後でないと発症が確認できません。発症を確認してから対処するよりも予防しておくことが大切です。
融雪剤を使用する場合は要注意
ゴルフ場などでは早くプレーが再開できるように融雪剤を使用する場合もありますが、道路などで使われる融雪剤とは全く異なりますので製品の選択には注意が必要です。
道路などで使われる融雪剤は塩化カルシウムが主な原料で、簡単に言えば塩ですから植物が生えている場所に使用すると塩害で枯れてしまいます。
芝生の降雪を溶かす場合には、必ず芝生などの植物がある場所で使える製品であることを確認してからにしてください。炭を混入して日差しによる温度上昇で溶かすタイプや、尿素で溶かすタイプなどがあります。尿素は窒素肥料でもありますから、尿素タイプを使用した場合は、その後の施肥でチッソが多すぎにならないよう配慮してください。
どんな雪腐病の殺菌剤を使えばいいですか?
こちらは温暖な地ですので雪腐病は経験したことが無く、雪腐病に対してどの殺菌剤が優れているかは不明です。
雪腐病に適用がある殺菌剤の中から選んで使ってみるしかないでしょう。
キノンドー水和剤、ロブドー水和剤、オキシンドー水和剤、ドウグリンなど、有機銅の殺菌剤に雪腐病の適用があります(銅には殺菌作用があります)。
雪腐病以外にも幅広い病害に効く殺菌剤ですと、芝美人フロアブル、モノクタジンフロアブル、グラステン水和剤、グラステン粒剤などがありますね。
雪腐病だけを狙うのか、それ以外の病害も含めるのかによっても選択肢が変わってくると思います。
芝生専用殺菌剤は、量的に一般家庭ではもてあましてしまうものが多いですから、芝生の面積も検討材料の一つになるでしょう。