芝張り後に病気や枯れが発生した事例

芝張り後に起きやすいトラブル

芝張りを終えたら後はきれいに仕上がるのを待つだけ、といきたいところですが、実際には様々なトラブルが発生することがあります。過去にご相談やご質問をいただいたことを元に、芝張り後に発生しやすいトラブルについて解説します。





部分的に枯れる、成長しない

芝張り後に部分的に枯れたり成長が遅かったりすることがあります。原因はいくつかありますので、ケース別に見てみましょう。

■切り芝(ソッド)が弱っていた

購入した切り芝(ソッド)が、圃場から切り出され何日も経過していたり、輸送中や保管時の蒸れや水不足などで弱っていたりしますと、部分的に生えないことがあります。切り芝が丸ごと枯れてしまうこともそう珍しいことではありません。生えてこない場所は枯死している可能性が高いので、面積が広い場合は張り替えした方が修復が早いです。面積がさほど広くない(局所的)な場合は、周辺から成長して緑に覆われるのを待ってもいいでしょう。端の目立たない部分から芝を切り取って、それを枯れている部分と張り替えるのも一つの方法です。

芝生は、生きているランナー(ほふく茎)さえあれば、そこから成長して広がる性質があります。この性質を利用して修復をしてください。

■水不足で枯れた

気温が高くなってからの芝張りは、水切れに要注意です。切り芝は圃場から切り出される際に、根を短く切られていますから、ただでさえ弱りやすい状態になっています。枯れてしまった場所は、切り芝が弱っていた場合と同じように修復をしてください。

■土壌になじんでいない

土を耕さずに芝張りしたり、植物の生育に必要な成分が少ない土壌だった場合、切り芝(ソッド)が土壌になじむまで時間がかかることがあります。このような場合、枯れることはないのですが、成育が芳しくないという状況になります。土壌改良材とともに発根促進作用のある資材(スーパーグリーンフードや有機酸酵素EX、活根彩果、アルムグリーンなど)を投入しながら様子を見てください。

■病気や害虫

芝張り後に病気や枯れが発生した事例

芝張り後の成長は全て順調にいくとは限りません。褐色に枯れる、赤っぽく枯れる、点々と枯れる、なんとなく密度が低下するなど、単純に枯れているのとは異なる症状がある場合は、相応の対処をする必要があります。『芝生のお手入れ駆け込み寺』や『芝生の病害対策』、『芝生の害虫』などを参照していただきながら対応してください。(写真はラージパッチと切り芝の枯れが発生した事例)

どう判断したらよいか分からない場合は、お気軽にお問い合わせください。info@enjoy-gardening.com

成長にムラがある

芝生を均一に育てるのは意外に難しいものです。特に最初のうちは成長ムラが発生しやすいですが、旺盛な成長を促進しながら芝刈りを繰り返すことで次第に解消に向かうでしょう。スーパーグリーンフードのような土壌改良材を併用すると、成長ムラが解消されやすくなります。成長が芳しくない場所だけ肥料を入れたりしますと、後で逆転現象が発生することがあります。肥料や資材はできるだけ均一に入れるようにしてください。

初芝刈りのタイミングを逃してしまった

芝刈りの基本は、葉の長さの1/3~1/2をカットすることです。刈り高の目安は「芝刈りはいつから始める?」を参照してください。

もし伸ばしすぎてしまった場合は、刈り高を当初の目標より高めにして維持し、次のシーズンの更新作業で刈り高を下げてください。荒療治をする場合は、一旦地際近くまで刈ってしまい、その後再生してきたら予定の刈り高で芝刈りをします。この方法は、地上部分の大半を刈り取ってしまいますので、何度も繰り返すと芝生が弱ります。

切り芝の目地が出てきた

これは目土入れが少なかったり、雨や散水で沈んだり流れたりすることによる現象です。再度目土入れをして目地を埋めてください。目地がへこんだままですと芝が成長しにくく、目地の埋まりが遅くなることがあります。

数ヶ月すると雑草が生えてきた

最初の1年は手作業の抜き取りで対処してください。芝生用の除草剤は、植えてから1年程度は使わないことを推奨しているものがほとんどですので注意してください。芝生に雑草は付き物ですから、いつかは必ず生えてきますし、生える量も必ず増えます。芝生用除草剤を使えば楽に除草できますから、焦らずあわてず対処してください。

サッチ取りやエアレーションはいつからやればいいの?

サッチ取りは、芝生を植えた次のシーズンから始めてください。サッチの原因は、冬枯れした芝や芝刈りでこぼれた刈り草、代謝による枯葉や古い根になります。特に冬枯れした芝は大量のサッチの元になりますから、春の更新作業で低刈りしておくことをお勧めします。芝焼もサッチ低減になります。

エアレーションは、しっかり根付くまではやらないでください。スパイクを刺してみて芝生が浮き上がったりはがれたりするような状態では厳禁です。スパイクで作業をしてもびくともしない状況になってからやってください。基本的には芝張りをした次のシーズンからでいいでしょう。


芝生のトラブルや困り事、疑問などがありましたら、『芝生のお手入れ駆け込み寺』をご参照ください。当サイトに載っていないご質問やご相談は、メールにてお気軽にお問い合わせください。info@enjoy-gardening.com