日本芝(高麗系)の4月の手入れ

4月の姫高麗芝の様子

4月に入ると緑化が一段と進みます。気温が上昇するのにつれて、病原菌や害虫の活動も活発になりますので、病虫害の心配も出てきます。病虫害の発生しにくい環境作りが大切になります。


芝生の雑草対策

4月は雑草の勢いも一段と増します。油断しているとあっという間に大きくなりますので、気がついたらこまめに抜くようにしましょう。除草剤を使用する場合は、雑草の発芽を抑制する「土壌処理効果」のある製品がお勧めです。

■除草剤選びのチェックポイント

除草剤には「茎葉処理」と「土壌処理」の2タイプがあります。「茎葉処理」は茎や葉から薬を吸収させて枯らすタイプで、生えている雑草を駆除します。大きくなってしまった雑草には効きにくいことがありますので、発芽を確認したら早いうちの処理が望ましいです。「土壌処理」は発芽を抑制する効果があります。土壌に浸透した薬剤が数ヶ月に渡って雑草の発芽を抑制しますので、生えてこない環境を維持できます。

イネ科から広葉雑草まで幅広い適用があり、なおかつ茎葉処理も土壌処理も可能なシバゲンDFがお勧めです。

芝刈り

4月に入ると成長スピードが徐々に早くなりますので、必要に応じて芝刈りをします。早いうちからこまめな芝刈りを繰り返すことで、密度の上昇も早くなります。

芝生の施肥

芝生の成長が旺盛になってきますので肥料を与えます。使用する肥料によって施用量が異なりますので、説明書に従って散布してください。

芝生の水やり

ほとんど必要ありませんが、施肥をした後は土壌が乾燥しすぎないように気をつけてください。過乾燥になると土壌に溶けだした肥料が濃すぎる状態になり、根を傷めてしまうことが考えられます。

芝生の病虫害

春はげ症や立枯病(ゾイシアディクライン)などの芽出しに影響する病害がはっきりと現れ始め、ラージパッチなどの適度な気温を好む病害も発症し始めることがあります。天候不順が続いて芝生の健全成長が阻害されている時は注意が必要です。芝生の耐病性を高める「ケイ酸」や「カルシウム」「カリ」などの栄養素を与えながら、土壌に病原菌が繁殖しにくい環境を維持するようにしてください。

不快害虫のミミズも活動が活発になり始めます。孵化する時期でもあり小さなミミズも多数存在することがあります。これらが大きくなって次の世代を残さないうちに早めに駆除しておきましょう。ミミズの駆除にはサポニンを含む椿油粕や茶実粕などが効果があります。

病虫害対策については、「芝生の病害対策」「芝生の害虫対策」「芝生のミミズ対策」もご参照ください。




寒地型西洋芝の4月の手入れ

4月のケンタッキーブルーグラスの様子

気温も上がり成長が旺盛になります。葉の隙間から次々と新芽が生え、密度も急上昇します。美しい芝と病害は表裏一体ですので、予防策にも力を入れてください。


芝刈り

葉の成長スピードが上がりますので、伸びすぎにならないよう芝刈りのペースを調整してください。成長具合によっては週2回ペースでちょうど良いぐらいになります。

水やり

週2~3回ぐらいを目安に水やりしてください。近年の春は天候不良が発生しやすいですから、雨や曇りの日が多い場合は散水頻度を下げるなどして対応してください。多湿が続くと病気の原因にもなります。

肥料

粒状肥料(固形肥料)を説明書通りに与えます。肥料によって散布時期やタイミングが異なりますので、説明書の通りに散布してください。応用的な使い方ができる方は様子を見ながらタイミングや量を調整してください。

ケイ酸やカルシウム、カリが入った液肥を併用することで、徒長の抑制や健全性向上の効果があります。また、鉄や苦土が入った液肥を併用すると、光合成が活発になるだけでなく、葉の色も鮮やかできれいになります。鉄や苦土は花の色も鮮やかになりますから、芝生に散布したついでに花壇や鉢植えにもまいておくといいでしょう。

病気

気温が徐々に上がってくると様々な病原菌が活動を始めます。症状が深刻になる前に予防資材や殺菌剤で抑制しておきましょう。

■発生の可能性がある病害
さび病、立ち枯れ病、ヘルミントスポリウム葉枯病、炭疽病、ダラースポット病、フェアリーリング病、細菌病、フザリウム病、ピシウム病、紅色雪腐病、雪腐小粒菌核病

冬期根雪になる地域では、紅色雪腐病、雪腐小粒菌核病は11月頃、降雪前に殺菌剤で防除しておく必要があります。

害虫

4月ごろから害虫被害が出やすくなります。部分的に枯れる、密度が低下する、地上部分がポロポロ取れるなど、害虫の食害と思われる症状が発生したら、即効性のあるスミチオンなどを散布して駆除しておきましょう。予防的な薬剤散布をする場合は、食毒性のオルトランやダイアジノンを使用します。食毒性の殺虫剤は、薬剤が芝生に浸透することによってそれを食べた害虫が殺虫されます。食毒性の殺虫剤は薬が触れて殺虫するものではありませんので、薬剤の特徴を理解して使用してください。

夏越しの準備

寒地型西洋芝は、夏になると日中の高温と強い日差しによって光合成ができなくなります。光合成ができなくなると、体内に蓄積された養分を逆転させて生存のためのエネルギーに転換します。そのため、春から夏前にかけて栄養をしっかり吸収させ、健全な成長を促して栄養を蓄積させておく必要があります。ケイ酸、カルシウム、カリ、鉄、苦土、その他の微量葉素を適度に入れて、健全成長を促してください。病虫害にもしっかり備えて、この時期にダメージを与えないことも重要です。