芝生の穂はどのように対処するべきか
春や秋になると、芝生には写真のような穂が生えてくることがあります。これはごく普通の現象ですから、心配することはありません。穂が生えてきたらどうすればよいのか、また穂が生える意味や少なくするにはどうすればよいかについて解説します。
穂が生えてきたら芝刈りで刈り取る
芝生に穂が生えてきたら、普通に芝刈りをして刈り取ってください。穂は美観をそこねるだけでなく、栄養を余分に取られますから、できるだけ取り除いておくことをお勧めします。参考までに、高麗芝は春だけ穂が生え、姫高麗芝は春と秋に2回穂が生えます。
高麗芝の穂は種が無いが...
高麗芝に生える穂は種がありません。ですので、穂が出てきたからといって、そこから種が落ちて新たな芽が出ることはありません。ただし、最近人気の改良型高麗芝 TM9 ではごくまれに先祖帰り(改良する前の品種に戻ること)をすることがあるようですから、早めに穂を刈り取っておく方がいいでしょう。先祖帰りした芝と改良芝が混在してしまうと、改良芝だけ残すことはほぼ不可能です。
穂はなぜ生えるのか
種を落とさないのであれば穂は必要ないと思われますが、芝生には穂が生えてきます。穂が生える理由には諸説あるようですが、種を落としていた頃の名残ではないかとする説があります。高麗系の芝は栄養繁殖できますから(ランナーによって増殖すること)、その機能が強化されることによって種が必要なくなったのかもしれません。なんにせよ、不思議な生態です。
穂を減らすことはできるのか
芝生に穂が出てくるのは生存本能のようなものだと考えられますから、危機的状況になると穂が増加することも可能性として考えられます。管理人宅でも、病害部分やその周辺に穂が集中している現象が見られたことがあります。芝生の穂が多い場所は、ひょっとすると芝生がなんらかの生存危機を感じている場所かもしれません。芝生の発するサインとして観察しておくといいでしょう。
芝生はイネ科です。穂が出るのは稲作で言えば実がつくことと同じ意味になります。稲に窒素肥料を与えすぎると実りが少なくなる傾向があるそうですが、芝生も同様に考えることができるでしょう。窒素肥料をしっかり与えることによって、芝生の穂が少なくなる傾向も、管理人宅では確認されています。このことから、肥料のやり方次第では穂のコントロールはある程度可能であると言えます。ただし、窒素ばかりをたっぷり与えてしまうと軟弱な芝になり病虫害に遭いやすくなりますから、バランスが大切です。
犬が頻繁におしっこをすると芝生は枯れます。それによって危機を感じるせいか、おしっこで枯れた芝の周辺では穂がたくさん生えてくることがあります。生存本能が強く働いた結果だと推察されます。