害虫と間違えないで! シオヤアブは芝生の味方です
茶色いサナギの抜け殻は害虫ではありません
それは2008年6月のことでした。芝生の手入れをしているとふと目に入った茶色い抜け殻。すわ、新たな害虫なのか? と心配になり必死で調べてみたのですがネットの芝生関連のサイトにはそれらしい情報がなく途方に暮れていました。
当時は、この茶色い抜け殻は芝生の害虫が羽化したのだという発想しかありませんでしたから、蛾を研究しておられる方に「これ何の蛾ですか」聞いたのですが、あっさりと「それ蛾じゃなくてシオヤアブでしょう」と判明。やっぱり専門家は違いますね。
そこからはシオヤアブの習性について調べてみると、なんとなんと芝生にとっては益虫であることが分かり大喜び。現金な管理人はすっかりこの昆虫の大ファンになってしまいました。
暖地では6月から7月ぐらいにサナギから成虫になるようですから、その時期に茶色い抜け殻を見ても心配しないでください。コイツは芝生の害虫を食べてくれる力強い味方なんです。ですので、駆除を考えなくても大丈夫。
シオヤアブは芝生の強力な助っ人です
写真の昆虫がシオヤアブの成虫です。レイバンのサングラスをかけているかのような凛々しいイケメン(かなり管理人の独断が入っております)。しっぽが白いのがオスで、それが無いのがメスのようです。
このシオヤアブ、昆虫界の食物連鎖のかなり頂点に近い部分にいるようで、成虫はコガネムシなどの成虫を捕食し、幼虫はコガネムシの幼虫などを捕食するとのこと。しかもかなり食欲旺盛なんだそうです。芝生の害虫の成虫も幼虫もモリモリ食べてくれる頼もしい奴ですね。
シオヤアブの大ファンになった管理人は、こいつが庭に現れると大喜び。いつぞやシオヤアブウオッチャーとなってしまい、羽化するシーンもばっちり観察するのでした。
これはたまたま偶然撮影できた、サナギが地表に出てきたばかりの状態で、まだこの中にはシオヤアブがいます。
こうやって頑張って羽化しようとする姿をみると、「がんばれ!あともう少し!」と松岡修三バリに応援してしまいます。なんせ芝生にとっては頼もしい味方なので1匹でも多い方がいいですから。
羽化の途中からですが、成虫が誕生する瞬間を動画に収めましたのでぜひご覧ください。
羽化した直後のシオヤアブは動くことも飛ぶこともできません。芝刈り機が近くを通ってもピクリとも動かず。この時シオヤアブにとっては敵に襲われると非常に危険な状態であることは間違いないでしょう。そっとしてあげながらも、天敵にやられないよう見守ります。
時には交尾する姿も見せてくれることがあります。二人の愛を邪魔するなどという野暮なことをしてはいけません。産めや増やせやでそっと応援しましょう。やがて次の世代の芝生の味方が誕生することでしょう。
邪魔しない代わりにちょっとパロディを。
シオヤアブは芝生にとっては益虫ですから、サナギを見かけてもあわてず心配しないでください。成虫を見かけたら「がんばれ!」と応援してやってください。