芝生の手入れ応用編

土壌のpHを下げる方法について

pHを下げるかどうかの判断は必ず測定してから

pHを下げるかどうかは、必ず土壌の酸度を測ってから判断してください。pHを下げるのは土壌を酸性方向にすることですから、すでにかなり酸性に偏っている土壌のpHを下げると低すぎということになりかねません。

芝生の土壌のpHを測定し、6.5以上になっている場合はpHを下げることによるメリットがあります。特にpHが7.0以上(中性からアルカリ性)になっている場合は病害発生リスクが高くなるため、pHを下げることによるリスク低減の効果が得られるでしょう。詳細は下記の記事にまとめていますので、ご参照ください。

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pH下降剤を使って下げる

土壌pH下降剤 pH下げ太郎

土壌のpHを下げるのに最も手っ取り早いのは、pH下降剤を使用する方法です。pH下降剤はその名の通りpHを下げるための資材ですから、直接的に土壌の酸度に影響します。

お勧めの下降剤は 『pH下げ太郎(ぺーはーさげたろう)』 です。この資材は元々造園業や公共事業、スポーツターフなどを対象にプロ向けに製造されていたもので一般消費者には流通していなかったのですが、松浦商店で小分けにして販売をしています。管理人の自宅でpH下降テストをしていた資材の一つです。

液体の資材ですので、20倍程度に希釈して平米1リットル程度散布します。一度の散布で狙った酸度まで下がらなかった場合は、繰り返し散布して狙った酸度まで下げます。詳しい使い方は販売ページや商品添付の説明書に記載しています。

この資材が作られた背景ですが、近年、造成地には建築物などを解体した際に発生するコンクリ片が混入していることが珍しくなく、それが原因による土壌のアルカリ化(pHが非常に高くなり、植物の生育を阻害する)が都市型の土壌問題として発生しています。その問題を解決するために作られた資材ですので、pHを下げることに特化した資材になります。

ただ、プロ向けの資材ですから取り扱いにやや慎重さが求められます(原液が非常に濃い)。説明書の注意事項をしっかり把握して正しく使用していただければ、pHの下降にとても役立つ資材です。

pH下降剤 『pH下げ太郎(ぺーはーさげたろう)』

硫黄でpHを下げる

土壌のpH下降によく使われる資材には硫黄があります。酸性土壌を好むブルーベリーなどを育てている方にはおなじみの資材ではないかと思います。

硫黄には粉末状のものや顆粒状のものがあり、使い方は土壌に散布、もしくは混和するだけです。

上記の下降剤は散布後数日でpHが下がって落ち着きますが、硫黄の場合はゆっくりとpHが下がり続けるのが特徴です。そのため投入量が多すぎた場合は狙った数値で止まらずに下がりすぎることもあります。そのため、投入量が多すぎにならないよう注意が必要です。

硫黄に関しても、扱いやすい液体の資材を松浦商店で準備中です。pH下降だけでなく土壌改良や塩害の解消にも使える資材ですのでお楽しみに! 沿岸部の方で芝生の塩害の疑いがある方にはメリットが大きいのではないかと思います。


生理的酸性肥料を使用する

土壌のpHを下げるには、生理的酸性肥料を使う方法もあります。生理的酸性肥料とは、散布時は酸性ではないものの、植物に栄養素が吸収された後に土壌を酸性化する成分が残り、pHが下がる性質を持つ肥料です。代表的な肥料としては硫安(硫酸アンモニウム)があります。この肥料は散布時には中性を示しますが、アンモニアが植物に吸収された後は硫酸根が土壌に残るためpHが下降します。

生理的酸性肥料でpHを十分下降させるためには相当量の肥料を投入しなければならないため、必要以上に栄養素が投入されることで成長しすぎたり、栄養バランスが崩れるなどのリスクがあります。芝生の土壌pHを下げるために硫安を大量に入れると、成長が旺盛になりすぎたり、窒素が多すぎることによって芝生が軟弱に育ち病虫害リスクが高くなることがあります。

生理的酸性肥料のみでpHを下げるのはデメリットを伴いますから、他の資材と併用しながらうまく活用する方がいいでしょう。