夏雑草と病害に備える

2018年6月3日(日)

除草剤と微生物資材で雑草と病害リスクを低減

シバキープII粒剤と環境改善資材の散布

九州や四国が梅雨入りし、これから東へ梅雨入り宣言が広がりそうです。梅雨ごろから生えてくる雑草は成長が旺盛で、油断するとあっという間に群生することがありますから、今のうちに除草剤を散布しておきます。6月はしつこい病気の葉枯病が発症する時期でもあります。こちらもできるだけ備えておきます。



2018年6月3日のベントグラスLS-44の様子

ベントグラスは先週から17mmに刈り高を上げたのでモフモフになりました。刈り高を上げることでストレスを減らし、殺菌剤無しでどこまで夏越しができるのかを見てみます。


ダラースポットの初期症状

ダラースポット?と思われる小さな症状。今後、症状が進行するのか収束に向かうのか様子見です。本来なら迷わず殺菌剤を投入すべきところでしょう。


芝生に生えたキノコ

時々顔を出す小さなキノコ。ベントグラスは密度が高い分、キノコの発生リスクは姫高麗芝より高いかもしれません。姫高麗芝にはまだ1本もキノコは観測されていません。有機酸酵素EXとアルムグリーンの交互散布で対処する予定です。

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姫高麗芝は前日に20ミリで芝刈り。


ラージパッチの収束とキノコ抑制、健全性向上を期待して、アルムグリーンとスーパー・ポリ・スピリットを500倍、アクアセーフGを1000倍で前日の朝に混合散布しています。


芝生用の除草剤シバキープII粒剤を前日夕方芝刈りの後に散布。この除草剤は土に触れた状態で薬剤が土壌に浸透しないと効果を発揮しませんので、散布後に隙間に落すように散水をしておきました(葉や茎からは除草成分は浸透しません)。散布量がちょっと足りなかったっぽいので効果は甘くなるかもしれません。

これからメヒシバやコニシキソウといった夏の雑草が猛威をふるいますので、それらの生育が少しでも抑制できればと思っています。シバキープIIはアカカタバミにはやや弱い傾向がありますから、アカカタバミが枯れないようならハンディスプレータイプの除草剤で対応する予定です。


今朝、さらに除草剤の成分を土壌に定着させるべく散水。


姫高麗芝はこれからカーブラリア葉枯病(ヘルミントスポリウム葉枯病)の季節に入ります。我が家の芝生にもちょっと気になる症状が出ています。

殺菌剤の使用がOKの方は、ロブラール水和剤やラリー水和剤、芝美人フロアブル、タフシーバなどの殺菌剤で予防しておきましょう。殺菌剤が最も効果を発揮するのは発病前~発病初期です。


我が家のパターンとしては、毎年飛び石付近から発病して芝刈りや雨滴などで周辺へ広がっていきます。ここで殺菌剤をまいておけばあっさり抑制できると思いますが、今年も無農薬による対処を追求するためあえて殺菌剤はまきません。殺菌剤で症状が消えてしまったら実験できないですからね(笑)


とりあえずスーパーグリーンフードを気になる部分とその周辺に散布しておきました。スーパーグリーンフードの微生物による病原菌の増殖抑制と、芝生の健全性向上による耐病性を期待しての散布ですが、もちろん我が家の劣悪環境(水はけ悪い、風通し悪い)において、これだけで抑制しきれるほど簡単な病気ではないことは過去の経験から分かっています。


黒い部分がスーパーグリーンフードの散布箇所です。この後散水して資材を落ち着かせておきました。


今年も葉枯病へのチャレンジが始まります。

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葉枯病がやっかいなのは「無農薬」という前提でのことであって、殺菌剤を使えばあっさり抑制できるのは分かっています。特に無農薬にこだわる必要が無い方は今のうちに殺菌剤を散布しておくことをお勧めします。ロブラール水和剤で約1ヶ月ぐらい症状が抑制できたのは確認しています。ただし、ロブラールは耐性菌ができやすいとのことですから、月1回ぐらいで連続散布する場合はラリー水和剤など作用機構(病原菌のどこに作用するか)が異なる殺菌剤を併用してローテーション散布してください。

ベントグラスはこれからつらい季節に入りますから、いかに夏越しの体力を蓄えておくかがポイントになりますね。今のうちに栄養をバランスよく与えて蓄積させ、体内に蓄えた養分の逆転現象が起きる夏に備えておきます。