これからの施肥は来年の立ち上がりに影響します

2020年9月13日(日)

粒状肥料を散布し休眠までの栄養補給を本格化

台風10号通過後はようやく暑さのピークが終わった感が出てきました。今年の猛暑は本当に長かったですね。繁忙期の疲れが蓄積した体にはこたえます。

季節は確実に秋へと変化しつつあり、芝生の休眠を意識する時期になりました。これからの施肥は来年の立ち上がりにも影響しますから、休眠前にしっかり栄養を与えておきましょう。


バラも暑さのピークを過ぎてほっとしていることでしょう。少し元気になってきました。


ベントグラスも少し成長が早くなってきたようです。週1ペースの芝刈りは変わりませんが、刈り草が少しだけ増えました。もう夏越しの心配をする必要も無さそうです。思った以上に無事な姿で夏越しできたことに少々驚いています。基本的な耐暑性はかなりありそうですね。


ピークは過ぎたとはいえ、まだまだ姫高麗芝は成長旺盛です。昨日30ミリで芝刈り。50平米ほどの広さで刈り草は45リットルのゴミ袋一杯分出ます。


姫高麗芝には雑草のメヒシバがたくさん生えてます。これをどうするか思案中。放置したらどうなるのかを最後まで見届けるか、抜き取って再生を促がすか。どちらも興味津々なんですよね。


抜き取るとこのようにハゲができます。成長旺盛な時期であれば2~3週間ほどで回復可能ですが、これからは成長が低下する一方の時期ですから、休眠までにどこまで回復するのかも興味があるところです。

放置したらしたで、大量に落とされた種が来年の除草剤散布で完璧に抑えられるのかも興味ありです。


休眠までにしっかり栄養を吸収させておくため秋の施肥をスタート。万緑-NHTを50g/m2、エンザアミンを30g/m2、粒剤スプレイヤーでサクっと散布。スーパーグリーンフードの散布は残念ながら日没で延期しました。よく同時散布についてお問い合わせをいただくのですが、万緑-NHT、エンザアミン、スーパーグリーンフードは同時にまいても大丈夫です。散布後のたっぷり散水をお忘れなく。


今年はキノコのお問い合わせもよくいただきます。キノコがたくさん生えてきて困っている場合、まず真っ先にチェックしていただきたいのは散水頻度です。特に夏の間毎日散水していてキノコが生えるという場合、散水頻度を落としてみることをお勧めします(もちろん水不足にならない範囲で)。

例えば、毎日散水していたなら1日おきにするとか。その代わり1回あたりの散水量を増やして水不足になるのを防いでください。キノコは水分と有機物を好みますから、土壌表層に水分が豊富にある時間帯が長くなるほど生えやすくなります。1回あたりの散水量を多くして散水間隔を空けることによって、表層の水分量が豊富な時間帯を短くできます。気温が低下してきて芝生が要求する水分量も減少する時期に入りましたので、臨機応変で散水対応をしましょう。

水分コントロールをした上でアルムグリーンや有機酸酵素EXを週1回ペースで散布しますとキノコ抑制効果が高まると思います。これらの資材は薬品成分は入っていませんので、殺菌剤のように一回の散布で効くというものではありません。定期散布することによって徐々に環境を改善していく資材になります。

キノコ対策はサッチングやサッチ分解剤でエサとなる有機物を極力減らすことも有効です。

また、微生物環境を整えることも重要です。キノコも微生物の一種ですから、多種多様な微生物がたくさんいるほどキノコ菌だけが繁殖するのを防ぐことができます。土壌微生物を豊富にする資材の併用や、エアレーションによる土壌通気性の向上で多様な微生物環境になるよう手入れをしてください。

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これから気温が下がるにつれ、カーブラリア葉枯病の再発にも注意が必要です。最高気温が30℃付近を下回るようになってきますと天候不良が続く時には要注意です。こげ茶色の点々とした枯れが発生したらそれが葉枯病です。発生そのものを抑制したい場合は、あらかじめラリー水和財やロブラール水和財などの葉枯病に適用のある殺菌剤を散布してください。殺菌剤は発症前が一番効きます。殺菌剤を散布する際は展着剤を必ず併用してください。まだ気温の高い日が多いですから、日中の資材散布は避けてくださいね。

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