病害リスクをできるだけ低下させる資材散布と散水の注意点

2022年6月19日(日)

芝生の様子とスーパーグリーンフードの散布

ベントグラスは13ミリで中2日ペースの芝刈り。これから雨で芝刈りのタイミングを逸しやすくなりますから天気予報とにらめっこですね。

1日のうちの大半が適温外になる時期に入り、何かしら問題が出てきそうな感じもします。


光合成をするためにより上へ葉を伸ばそうとしますから密度が高まるほど軸も上がりやすくなります。さらに密度上昇で芝刈り機が持ち上げられ刈り高も勝手に上昇する傾向になります。

同じ刈り高で芝刈りしていても芝生の密度によって実際の刈り高には違いが出ます。


姫高麗芝は17ミリで週1回ペースの芝刈り。

梅雨時期に入りカーブラリア葉枯病が勢いを増し、あちこちにパッチや初期症状が見られます。


病害の悪化を少しでも低減することと晴れた日の回復をサポートするのを目的として、昨夕スーパーグリーンフードを平米100gよりやや多めに散布しておきました。

通常は散布後に散水をして終わりなのですが、葉枯病の症状が出ている部分には「SGFまぶし作戦」を実施。


散水後の葉が濡れている状態で症状が出ている部分にスーパーグリーンフードを追加で散布し、葉にまぶした状態で一晩明かします。

そうすることで葉の表面にスーパーグリーンフードの有用微生物が付着して病原菌の抑制効果が高まるのではないかと期待しています。

もちろん日差しが強く気温の高い日中にこれをやるのは葉焼けリスクがあるので厳禁です。

まぶし作戦は雨の直前や降り始めにやることもあります。


私のやっている芝生の作業を心配そうに見つめるいすず。


葉枯病が出ている時にやらない方がいい散水

スーパーグリーンフードのまぶし作戦を実施した翌朝には再度散水をします。写真のように山なりにふんわり散水を基本としています。

これには意味がありましてカーブラリア葉枯病を悪化させないためでもあります。


このように強い水圧で真下に向けた散水をしますと、症状が出ている部分は悪化するリスクが高まります。

以前は自分が立っている足元の部分へこのような散水をしていたのですが、そういう場所と葉枯病が悪化しやすい場所がほぼ一致していたことからふんわり散水に切り替えました。

その結果、全く発症しなくなるわけではありませんが葉枯病の悪化はかなり抑制できているという手応えを感じています。


もちろん、ふんわり散水をしたとしても散水頻度が高すぎれば病気は悪化しますし、散水が不足すればこちらもまた光合成不足やストレスによる体力低下を招いてしまいます。

このあたりのさじ加減については、自宅の土壌の構造と性質を理解しながらいろんな散水パターンを試し、その結果芝生にどんな影響が出るのかを観察して探っていくしかないと思います。

私も自宅の芝生と散水の付き合い方がやっとつかめてきたかなと感じたのは10年以上たってからでした。

「まったく水やりしなかったらどうなるのか」という実験も一部エリアでいつかはやってみたいなと思っていたりします。


散水が終わるとSGFで隠れていたパッチがくっきりと現れます。ここは比較的病状が進んでパッチが大きくなっています。


病気などが悪化しやすい部分と日陰になる部分が一致していたりしますので、やはり日照は大事なのだなと実感させられます。

(日照不足→芝生の体内に病原菌が好む物質蓄積→病害リスク上昇)


光合成促進の液肥散布

昨夕散布したスーパーグリーンフードとの相乗効果を狙って超ハード葉素を散布。

この資材に含まれるケイ酸という栄養素は、葉の表皮を強くして耐病性を高めるだけでなく、ケイ化細胞(集光能力の高い細胞)を増やして光合成の効率を高めてくれる作用ありますから、梅雨時期の日照不足を少しでも緩和してくれることを期待しています。


除草剤散布その後

先週、メヒシバなどの夏雑草の抑制と姫高麗芝で雑草化しているベントグラスを防除するためにシバキープIII粒剤を散布しましたが、徐々に効果が現れ始めました。


特に高温多湿のストレスに弱いベントグラスへの効果は大きく、写真のように枯れがハッキリしてきました。


姫高麗芝の中に群生していたベントグラスもこの通り。

後は完全に枯れてくれるかどうかを確認するばかりとなりました。


メヒシバも変色が発生しています。

説明書には3週間ほどかけて雑草が枯れるとありますから、こちらもまだ様子見ですね。

最高気温が30℃を超える日が続くようになりますと大半の除草剤は散布できなくなります。散布を計画している方は天気予報を見ながら早めに決断をしましょう。


例年通りならあと1ヵ月ほど梅雨が続きます。

雨は確実にカーブラリア葉枯病を悪化させますから、症状にやきもきさせられるのが嫌な方は早めに殺菌剤を散布しておきましょう。

雨が続く場合は殺菌剤を散布しても流されてしまうことを懸念する方もおられると思いますが「散布しないよりマシ」ですので、症状が悪化しているようなら散布を優先してください。