予想よりだいぶ早くラージパッチが登場

2020年03月29日(日)

3月なのに姫高麗芝にラージパッチの症状を確認

今日は関東より東は雪が降っているところも多いようですが、広島県は平年並みといったところです。寒暖差の大きい地域のみなさん、コロナもですが風邪など召さぬようにお気を付けを。春の寒暖差は体に結構こたえますよね。

さて、我が家の姫高麗芝ですが3月だというのにラージパッチの症状が現れました。目論見ではpHを下げながら無農薬で予防策を取れば4月の発症時期をクリアできると踏んでいましたが、あっさり先を越されてしまいました。まあ慌てなくてもじきに治りますから大丈夫ですけど。(←これが油断の原因です(笑))


ベントグラスは週1回ペースで13ミリの芝刈り。まき芝の部分以外はほぼ地肌が見えなくなりました。


高密度の時は繊細な葉になるベントグラスですが、伸び伸び生えるとここまで太い葉になるようです。さて、はたしてこのまま芝刈りを繰り返すことで本来の緻密なターフになるのか、非常に興味深いところです。


姫高麗芝は萌芽が進み、かなり緑になってきました。4月に入ったら芝刈りを開始する予定です。


こちらが昨年同時期の様子ですから、今年の方が早く緑になっているのが分かりますね。おそらく暖冬~暖かい春だったことが大きく影響していると思います。


姫高麗芝には出穂(しゅっすい)も見られます。感覚的には暖冬のせいでちょっと早いのかなと感じていましたが、過去の記録を見ると同じ時期に出穂してました。写真で記録を残しておくと、こういう時の比較に便利ですのでお勧めです。


暖冬の影響は病気にも現れていまして、ラージパッチの対策を本格化しようと思っていたら先を越されてしまいました。ヤマボウシの周辺にパッチがあるのが分かるでしょうか。

ラージパッチが発生するのはたいていヤマボウシ周辺になりますので、何か関係があるのではないかと疑っています。樹木による芝生の障害はゴルフ場でも見られるそうなので(木陰ができるからという理由とはちょっと違う症状)。


雨や多湿の日にパッチの外郭部分がこのようにオレンジ色や赤色っぽく変色しているならラージパッチと見て間違いないでしょう。この変色が見られないなら他の病気や害虫による食害が考えられます。


とりあえずの対処として、昨日朝に有機酸酵素EXを500倍で全体に散布。ラージパッチは外へ外へと拡大する性質があるので、パッチとその周辺部には250倍の濃いめの希釈でさらに追加で散布しておきました。


そして今日は生理移行を促進して耐病性を高めるため、スーパー・ポリ・スピリットを水に溶かして400倍で散布。この肥料に含まれる硝酸カリは、カリの中でも最も吸収が早いと言われており、カリを吸収した植物は生理移行が促進されて健全性が高まるため、耐病性が向上します。過去のラージパッチ発症時にも定番的に使用していた資材です。


できるだけ早く治したい場合は殺菌剤がベストでしょう。一般家庭ならバリダシン液剤がお勧めです。


そうそう、私の自宅ではpH下降剤とミミズの関係について調べているため昨年から椿油粕によるミミズ対策をやっていないのですが、思うように駆除できていないようで糞塚がかなり増えてきました。糞塚が多い時には病気が発生しがちですので、ミミズの多さと病気の発生しやすさもちょっと疑っています。科学的な確証はありませんのであしからず。


無農薬での対処は病原菌をやっつけるのではなく芝生の再生能力を高めたり環境改善によって治癒を目指しますから、気長に取り組める方や芝生の生態に興味がある方(どんな再生をするのか興味津々とか)でないとヤキモキすると思います。ラージパッチの詳細については「ラージパッチの症状と対策」をご覧ください。