葉枯病の様子と頼もしいアイツのお話

2020年6月21日(日)

雨でカーブラリア葉枯病のパッチがはっきりと

梅雨らしい天候が続き、先週はぼんやりしていた葉枯病の気配がハッキリとしたパッチに変化しました。今後の天候次第でさらに悪化するか軽症のままで治まるか運命が分かれます。


梅雨の最中でもバラが彩りを添えてくれます。バラの定番的病気の黒星病が毎年発症しますが、雨にあたるところとそうでないところでは発病のリスクがかなり違うように感じます。


ベントグラスは20ミリで芝刈り。もう少し仕事が落ち着いたら週2回ペースの芝刈りも可能になりそうですが、すでに軸も上がってしまい今年はちょっとあきらめモードです。


このように20ミリでも軸刈りになる部分があります。一番旺盛に成長する時期に週1回ペースでしか刈れなかったというのもあるのですが、やはりベントの旺盛な成長力には驚かされます。基本的に日本芝より西洋芝の方が成長が旺盛なのですが、同じ西洋芝のケンタッキーブルーグラスと比較してもベントグラスの成長力は別格ですね。


姫高麗芝も20ミリで芝刈り。気温上昇と雨でモリモリ成長し急激に密度も上昇、おかげで絨毯のような芝生になりました。


雨はカーブラリア葉枯病の悪化も助長します。先週はもっとぼやけた感じの病斑でしたが、たっぷり雨が降ったこともあってハッキリとしたパッチになりました。とはいえまだ軽症の範疇です。これ以上症状をひどくしたくなければ、殺菌剤のロブラール水和剤やラリー水和剤を散布しておくのが得策でしょう。


しばらく好天が続きそうですので、病気回復のチャンスをさらに生かすためスーパー・ポリ・スピリットを1000倍、有機酸酵素EXを500倍で混合散布。スーパー・ポリ・スピリットのカリは生理移行を促進して耐病性と回復力を向上、有機酸酵素EXは土壌微生物環境を改善して病原菌の繁殖の抑制に期待です。

有機酸酵素EXとアルムグリーンを週1ペースで交互に散布するとキノコの抑制にも役立ちます。


芝生にとって頼もしいアイツ「シオヤアブ」

資材散布でスッキリ。そういえば散布中に聞き覚えのある羽音が。この音はきっとアイツだと振り返って見ると、やっぱりいましたシオヤアブ。もうそういう時期になったんだなとしみじみ。


シオヤアブの成虫

シオヤアブはこんな奴です。独特の羽音がしますから付近を飛んでいるとすぐに分かります。成虫はコガネムシの成虫を捕食し、幼虫はコガネムシの幼虫などを捕食してくれる、芝生にとってはとても頼もしい奴です。


シオヤアブのサナギの抜け殻

このような抜け殻が芝生に転がっているかもしれませんが、これはシオヤアブの抜け殻ですのでご心配なく。きっと土壌中の芝生の害虫を食べまくって育っていたはずです。

シオヤアブは人を襲うことはありませんから、成虫も怖がらなくて大丈夫ですよ。

関連記事:この抜け殻は何? 正体は芝生の味方シオヤアブ

余談ですが私の車の色はゴールドです。この色にはウシアブという種類のアブが寄ってきます。この季節に山の方にいくと、かなりの確率で車にたかってきます。ウシアブは動物の血を吸いますから人間も要注意です。しかも蚊のように針で刺して吸うのではなく皮膚を食い破って血を吸うため相当な痛みを伴うそうです。もし山へ遊びに行って見かけたらご注意ください。

さて、梅雨の期間はまだ1ヶ月ほどあります。梅雨空が続けば葉枯病は悪化しますし、日照不足になると害虫のリスクも高まります(光合成不足は害虫が好む物質が芝生体内に蓄積されるため)。葉枯病が心配な方は早めの殺菌剤、原因不明の枯れや密度低下が発生したらとりあえずスミチオンを散布して様子を見てください。