ラージパッチの初期症状と確認の仕方

2023年05月28日(日)

庭の様子と姫高麗芝の再生具合

バラは春の開花期が終わり、女房が剪定してくれました。

手前側にある小さな鉢は新たに我が家に来てくれたバラです。


新入りのバラが我が家を歓迎してくれるかのように開花。


ベントグラスは13ミリで維持中。

今週は台風の影響で雨続きなので芝刈りが微妙なところ。(正直なところ雨の中で芝刈り機を動かしたくない)

これを機に刈り高を一段上げるかもしれません。


姫高麗芝は薬害や踏圧から順調に回復中。


傷みのピークだった4月30日はこんな感じ。

5月7日にスーパーグリーンフードを平米200gほど散布し、3週間が経過してかなり回復してきました。


こちらは本日5月28日の様子。一番傷みが激しかった場所です。


一週間前の5月21日と比べてもかなり再生が進んでいる様子がうかがえます。


除草剤の薬害というとちょっと怖いイメージを持たれるかもしれませんが、芝生用除草剤で芝生が枯れてしまうのはよほどのことが無いと発生しませんし、薬害が発生したとしてもご覧のように再生は可能ですから、あまり怖がらなくても大丈夫です。

もし薬害が発生したとしても慌てずじっくりと再生を促してあげましょう。


全体的にまだまだといった感じですが、これから6月にかけて様相が一変してくると思います。

この時期によくあるお問い合わせで「成長が今一つな感じがする」というものがあるのですが、その際にはいつも「日本芝が本領発揮するのはこれからなので6月以降の様子を見てください」と伝えています。

成長が今一つと感じられる場合には、通常の施肥に加えてスーパーグリーンフードや有機酸資材などを併用してみるといいでしょう。

また、春の生育は前年秋(晩夏以降)の施肥も影響しますから、夏を過ぎたら来年のための施肥という意味合いも含めて計画を立ててください。


ラージパッチの初期症状と確認の仕方

我が家の芝生の中には当初からヤマボウシが植えてありまして、20年以上庭を彩ってくれました。

芝生用除草剤の薬害が出たり、樹木が大きくなって日陰の面積が大きくなる、アレロパシーと思われる芝生への影響が見られる、などの理由からリフォームに合わせて撤去することにしました。

ただ、20年以上に渡ってシンボルツリーの役割を果たしてくれたのは確かなので、モニュメントとして庭園灯を立てました。


昨日、ふと庭園灯の周辺を見ると、うっすらとラージパッチの初期症状が現れていました。


写真だけだと分かりにくいかもしれませんので矢印で示しました。矢印の先端部分にうっすらと変色した箇所があるのが分かりますでしょうか。

ヤマボウシの周辺ではよくラージパッチが発生していまして、その名残だと思われます。

芝生の病気はだいたい同じ場所に発生することが多いです。


ラージパッチは雨や湿度の高い日に枯れた部分が赤っぽいオレンジ色になるのが特徴です。

近くで見ると委縮して枯れた葉がオレンジ色に変色しているのが確認できると思います。

よく晴れて乾燥している時には特徴的な色が確認しにくいこともあります。


もう一つの特徴として、枯れた葉をつまんで引っ張ると簡単に取れてしまう点があります。

初期症状でパッチがはっきりしない時にはこういった確認の仕方もあります。

パッチがハッキリしてきますとラージパッチの症状だと分かりやすくなりますが、できればそれまでに対処しておきたいところです。


ラージパッチの症状と対策についてはこちらにまとめていますので症状が気になる方はご参照ください。『ラージパッチの症状と対策


シーズン的にはそろそろラージパッチが終わりを迎えるタイミングではありますが、対策をしないまま病状が酷くなりますと長引くことがありますので、対処しておくことに越したことは無いでしょう。


とりあえず今回はキトサン溶液スーパーグリーンを300倍、スーパー・ポリ・スピリットを1000倍で混合して平米1リットル散布して様子を見ることに。

今週は雨続きの予報ですので、症状を見ながらスーパーグリーンフードを発症部分に散布するかもしれません。(自然治癒のスタンスです)


6月の芝生の手入れ 基本作業と注意点

6月に入ると全国的に次々と梅雨入りすると思われます。

今年はエルニーニョが発生して冷夏になる予報もあり、長雨が増える可能性もありそうです。(気象庁:エルニーニョ速報

長雨になりますと、日照不足による光合成不足(病虫害に弱くなる)、大量の水分による徒長(軟弱化)、土壌が水分過多になり酸素不足(根の傷みや悪玉菌の繁殖)などの悪影響が想定されます。

こういった状況で無農薬にこだわると症状を悪化させ続けることもありますので、臨機応変に農薬も含めた対策を検討してください。

関連ページ:『6月の芝生の手入れ 基本作業と注意点