2019年3月10日(日)
病気予防のためpH下降剤で土壌の酸性化をスタート
姫高麗芝がうっすらと緑がかってきました。いよいよ緑化が始まりますが、芝生の成長とともに病気のリスクも次第に高くなります。4月ごろからはラージパッチが発生しやすい時期になりますが、土壌のpH(ペーハー)を下げて酸性にしておくことでかなり発生リスクが低減できることを確認しています。
できるだけ農薬を使う回数を減らしたいという方は、土壌のpHにも要注目です。
今日はあいにくの雨模様ですが、遅咲きのスイセンが開花しはじめ春本番を告げてくれます。
ビオラも元気になってきました。花を食べられているのでナメクジ対策しなければ。
ベントグラスは昨日17ミリで芝刈り。先週の肥料と雨が適度に降ったおかげで成長が早くなってきました。そろそろ芝刈りのペースを上げた方がよさそうです。
姫高麗芝も先週の肥料とその後の雨が効いて薄っすら緑がかってきました。
来月ぐらいからは病害リスクが高くなり、定番的な病気のラージパッチが発生しやすくなります。
ラージパッチは土壌のpH(ペーハー)を6.5以下(弱酸性)にしておくと発生リスクが抑制されることを確認しています。できれば6ぐらいの方がいいでしょう。
土壌のpHを下げるにはいろいろ方法がありますが、一番簡単で即効性があるのはpH下降剤を使用することでしょう。
松浦商店で「pH下げ太郎」という商品を用意していますので、興味のある方はご覧になってみてください。造園業や公共事業などで使われるプロ向けの資材を小分けにしたもので、すでに施工実績もたくさんある資材です。怪しい液体ではありませんのでご安心を。
元々このpH下降剤が開発された背景には、都市型の土壌問題があります。宅地や街の開発などで建築廃材が混在した客土や盛土に使われることがあるのですが、コンクリ片が混ざっていると土壌のpHが異常に高くなり(強アルカリ)、樹木やその他の植物の生育が阻害されることがあります。その問題を解消するためにpHを下降させる資材が開発されました。
植物の生育環境を整えることを目的として開発されていますから、芝生にも使えますし、その他の植物にも使用できます。土壌を傷めることもありません。
ただし、プロ向けの資材ですから取り扱いはやや慎重さが求められます(目や手など皮膚の保護、マスク着用など、農薬を扱うような感じで考えてください)。
pH下降剤がどれぐらい効くかは土壌の性質に大きく作用されます。砂質土壌ほどpH下降しやすく、粘土質で腐植がたくさんある土壌はpHが下がりにくくなります。我が家の土壌は粘土質で腐植たっぷりですから、20倍希釈液を4~5回散布してpHが1下がる感じです。
当面はラージパッチ対策でのpH下降をやりますが、その後はpHを5ぐらい(かなり酸性)まで下げてカーブラリア葉枯病の予防にどれぐらい効くのか様子を見る予定です。
pHを6程度まで下げて、万緑-NHT、エンザアミン、スーパーグリーンフードで芝生や土壌の健全性を保てば、カーブラリア葉枯病以外の病気は無農薬でも抑制できると思います。(管理人の実感として)
無農薬に関しては、カーブラリア葉枯病が残された課題です。
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