真夏の散水について

2022年8月14日(日)

芝生と庭の様子

みなさん、お盆休みを満喫されていますかね。

我が家の庭では、うだるような蒸し暑さが続く中バラが体力を振り絞って咲いています。


春の開花シーズンで体力を消耗したバラは、その後調子のわるい状態が続いています。

鉢植えの場合は、鉢ごと日照にさらされるために地温が上昇するのも悪影響を及ぼしているのではないかと推測しています。

後は、現在使用している土があまりにも水はけが良すぎるので、水分の不足も影響しているかもしれません。毎朝の散水をさらに多くして様子を見ています。


春に不調で成長がかんばしくなく花もあまり咲かせなかった地植えのバラは、その後元気になり葉もツヤツヤしています。

やはり春の開花で奪われる体力はかなりのものがあるのではないかと。

バラの専門家によると春の開花後に疲れてしまうのは仕方のないことで、春以降は来シーズンのための再生期間にするという考え方もあるようです。


芝生と同じくイネ科のレモングラスは元気一杯。一番伸びた葉は私の顔の高さぐらいになってきました。


ベントグラスは中3日ペースで20ミリの芝刈りをしていますが、軸刈りではないと思われる枯れも出てきましたので、本日夕方にスミチオンを1000倍で平米3リットル散布する予定です。

害虫は夜行性のため、朝よりも夕方散布の方が薬剤に接触しやすいでしょう。(スミチオンは接触毒の殺虫剤です)


姫高麗芝は昨日の芝刈りから25ミリに刈り高を上げました。


刈り高を上げた分、芝刈りのストライプがややくっきりし、葉色も少し濃く見えます。この時期は一番きれいな葉色の部分を芝刈りで除去することになりますから、濃いめの色が好みの場合は刈り高も高めにするといいでしょう。


葉枯病もすっかり回復してきれいな状態を堪能できてます。

梅雨前線などの影響で雨がよく降っている地域では病気が治りにくかったり害虫の被害が発生しやすくなっていると思われます。無農薬では難しいような場合は早めに農薬散布で対処してください。


真夏の散水

ここのところ真夏の散水についてのご質問がいくつかありました。

散水のポイントは「1回あたりの散水量を多くし、散水間隔は水切れが起きない範囲でなるべく空ける」になります。

ただ、どれぐらいの散水量でどれぐらいの期間が空けられるかについては、土壌、日当たりや風通しなどの環境、天候(雨がたまに降るか、全く降らないか)などで左右されますので、適切な散水というのは各ご家庭で見つけていただくしかないでしょう。


ご参考までに私の自宅の散水は下記のようにしています。

  • 1回の散水量は平米10リットル以上
  • 散水シャワーの量は30秒で10リットル
  • 面積は50平米×30秒=25分の散水で平米10リットル換算
  • 過去に夏場毎日散水していた頃は25分~30分
  • ここ3年ほどは夏場の散水を1日おきにするため30~50分へ変更
  • スプリンクラーではなく散水シャワーを使用
  • 自分がスプリンクラーになったつもりでまんべんなく散水
  • 色を塗り重ねるイメージでしみ込ませることを意識
  • 雨が全く降らない時には散水量を多めに
  • 散水は早朝(夜間の水分は病気を悪化させる)

散水を毎日しなくなったのは病気(主にカーブラリア葉枯病)への対処もあります。

水はけや風通しの悪い我が家の環境では毎朝水分が入ると病気が治りにくいことが多く、できるだけ散水間隔を空けることで表層を乾燥気味にしたいという意図があります。

先週は2日おきの散水を試してみましたが、我が家の庭では少々きついようで芝生がガサガサした感じになり美しさも減じてしまう結果となりました。そのため今は1日おきに戻し、芝生もみずみずしさを取り戻しています。


ちなみにベントグラスも夏場の1日おきの散水を試していましたが、やはり寒地型西洋芝の場合は毎日でないと厳しい感じです。

こちらも現在は毎日散水にして様子を見ています。


できるだけ散水間隔を空けるに越したことはないのですが、あまり無理して散水間隔を空けると土壌が乾燥しすぎの状態になることがあります。

この状態になると水がしみ込みにくい土壌へ変化し、その後の散水でうまく水が土壌に染み込まないという懸念が発生します。(カッサカサに乾燥した土に水を落とすと水玉になる現象を見たことがある方も多いと思います)

そのため過乾燥にも注意が必要でしょう。

過乾燥気味になってくると芝生が水をはじくような感じになってくると思います。


また、少しの散水を繰り返しますと土壌表層しか水分が維持されず、根が浅いところから水分を吸おうとして深くまで成長しにくくなる懸念があります。

これを防ぐためにはたっぷり散水が必要なのですが、その目安が平米10リットル以上になります。(これも土壌の性質によって左右されるでしょう)

平米10リットルといってもシャワー全開でほんの数十秒ぐらいです。

シャワー全開の状態はかなりの雨に相当するとは思いますが、平米あたりほんの数十秒ですから、しっかりした雨が30分、1時間、1日降るのと比べるとはるかに少ないことが想像できると思います。

人工的な散水は人間の感覚でたっぷりだったとしても、雨量からするとはるかに少ないという点も踏まえておく方がいいと思います。

私の自宅で雨が降らない時に散水量を多めにするのも、こういった理由があります。


芝生の散水は本当に奥が深く、環境や条件によっても対応が異なりますので、散水間隔や散水量を変えて芝生の様子を観察、その結果から散水が適切かどうかを判断するという試行錯誤を繰り返すしかないでしょう。