害虫注意報と芝生の話題あれこれ

2020年5月5日(火)

害虫に注意が必要な季節になりました

2日前あたりから急に気温が上昇し、今日は朝から蒸し暑くて夏を思わせるような気候です。気温上昇とともに芝生の成長が旺盛になりますが、それと共に病虫害のリスクも増えます。ここ数日で害虫の食害と思われるお問い合わせを何件かいただいています。芝生の害虫の中には、幼虫のまま越冬して4月頃に食害を開始するものもいますので、急に枯れたり密度が低下するなどの症状が現れたら、殺虫剤を散布して害虫の原因を潰しておきましょう。

枯れ方に特徴があって病気だとハッキリわかる場合は病気の対策をしてください。春はげ症や立枯病だと最初から発芽しないという特徴がありますし、ラージパッチならパッチ周辺部が雨や多湿の日にオレンジ色っぽくなります。枯れ方に特徴があまりなく原因がはっきり分からない場合は、まず害虫の要因を潰しておくことをお勧めします。

これからの季節は常に何か害虫がいるという前提の方がいいでしょう。少しでも害虫がいるのが許容できない方は、オルトランのような予防的殺虫剤や即効性のスミチオンを併用して対処してください。食害が目立たない程度の存在なら特に構わないという方は、芝生の健全性を保ちながら少々の食害に負けない成長を促しましょう。私は日本芝に関しては後者の方針で手入れしていますので害虫は無農薬で対処しています。寒地型西洋芝では殺虫剤を使用しています。

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庭の様子と芝生の話題あれこれ

エリゲロン

我が家でゴールデンウイークを象徴する花、エリゲロンも満開になりました。


バラの花

つぼみをたくさんつけていたバラも次々と開花し始めました。ピンクと白のグラデーションがきれいです。


黄色いバラ

黄色のバラもきれいに咲いてくれました。芝生に与える万緑-NHTには、花芽の形成を促進する成分や花肥とも言われるリン酸も含まれているため、芝生に与えたついでに鉢や花壇にもまいておくと花をたくさんつけてくれます。普段お使いの花用の肥料に追加して散布してください。鉢には一握りの1/4ぐらいを芝生にやるついで与えています。


こちらは淡い色が可憐ですね。(バラを選んでいるのは女房でして、私は名前を全然知りませんのでごめんなさい)


害虫に食べられたバラの花

バラも病虫害とは無縁ではなく、殺虫剤を使わないとこんな風につぼみを食べられてしまいます。バラの無農薬栽培は毎日きちんと手入れできる方でないと難しそうですね。


バラの黒星病

バラの定番的な病気、黒星病も毎年のように発生します。ミニバラの方が発病しやすい傾向にあります。この病気に関しては、芝生で試験するために入手した微生物資材をついでにバラでも試してみようかと思っています。


姫高麗芝の様子

姫高麗芝は先週土曜日に17ミリで芝刈り。週1回ペースでの芝刈りですが、集草箱1杯ぐらい刈り取れるぐらいになってきました。気温上昇しましたので、これから成長がさらに旺盛になって刈草も増えるでしょう。


姫高麗芝に発生したラージパッチ

姫高麗芝はラージパッチとの攻防が続いています(無農薬で対処中)。早く治癒させたい方は、バリダシン液剤などの殺菌剤散布をお勧めします。

ラージパッチは今ぐらいの気候が最も活発になるはずですので、ここを乗り越えれば修復が加速すると思います。スーパー・ポリ・スピリットによる生理移行促進やアルムグリーン、有機酸酵素EXといった有用微生物を増やす資材などを併用しながら対処していきます。もちろんスーパーグリーンフードもお勧めです。


写真ではちょっと分かりにくいかもしれませんが、雨や湿度の高い日にパッチ周辺部がオレンジ色っぽくなるのがラージパッチの特徴です。カラッと晴れている日には、不思議なことに冬枯れの色に近くなります。


pH下降剤

ラージパッチ対策としては土壌のpHを6.5より下(酸性寄り)で維持することも有効ですので、pH下降剤を散布しておきました。ラージパッチ周辺にはミミズの塚もチラホラみられるため、ついでにある程度駆除できればと目論んでの散布です。


液肥スプレイヤーでの散水

液肥散布ツールを使用してサクッと散布。このツールは適度な水圧なら100倍希釈になり、水圧が低いと濃いめ、水圧が高いと薄めの希釈になる特性があります。100倍よりやや濃いめにしたかったので弱めの水圧で散布しました。

ちなみにpH下げ太郎の通常の使用方法は20倍というかなり濃い希釈で平米1リットル散布します(表層1センチぐらいのpHを下げる)。今日はミミズ対策を兼ねていますので、薄めで水量を多くし土壌深くに浸透させる方法にしています。ですのでpH下降のインパクトは弱いはずです。


実は、pH下降剤の散布とミミズ駆除の関係性は私もまだあまり把握しきれておらず、試行錯誤を重ねている最中なのですが、今日は目視で十数匹ほど駆除できたのが確認できました。また、目視が難しいレベルの小さなミミズ(イトミミズぐらい)も2匹ほどもがいているのを確認しましたので、おそらくかなり駆除できているのではないかと思います。今後、糞塚ができるペースが低下するかどうか要確認ですね。

今までの傾向からしますと、雨の後で土壌に水分がたっぷりある時の方が反応しやすいように感じます。おそらくこれは椿油粕によるミミズ駆除も同じ傾向になると思います。

関連記事:芝生のミミズ対策について

薄くなった姫高麗芝

これは4月12日の様子です。この状況だけ見ると芝生が薄くなっているのでちょっと心配してしまうかもしれません。


同じ部分の今日の様子がこちら。かなり回復しています。春は何かとやきもきさせられることが多いのですが、気温が上がればこのようにあっさり回復することが多いです。もちろん、芝生の生育をきちんと促していればの話ですが。


はみ出した芝生

今日ははみ出し者の芝生の対処もしておきました。枕木やレンガなど隙間があるところに芝生が根を伸ばしてはみ出していく光景はよく見られます。


もちろん、芝生だけでなく雑草も生えます。


それを防ぐために何でも枯らすタイプの除草剤を散布しておきました。こうすることで隙間に芝生や雑草が生えるのを防ぐことができます。


6か月雑草が生えなくなるタイプを使用しましたので、しばらくの間は芝生のはみ出し防止に役立ってくれると思います。もちろん、散布が芝生に近すぎるとその近辺の芝生も枯れますのでご注意ください。


次週あたりには肥料と土壌改良剤の散布を予定しています。それが終わったら除草剤の散布も計画中です。今年は姫高麗芝の一部でドーピングをしてみようと考えていまして、その結果シーズン終わりごろの芝生がどうなるのかが楽しみです。

さて松浦商店の方ですが、芝生シーズンに入りおかげさまで大変たくさんのご注文をいただいております。本当にありがとうございます。ただ、今年はコロナという特殊な事情があり、おそらく出かけられない方がたくさんいらっしゃるためガーデニング需要が多くなっていると思われます。そのため、例年をはるかに超えるご注文が集中しています。

商売のことだけ考えればキャパオーバーで受注し続けてもいいのでしょうけど、ご注文をいただくからにはできるだけお待たせすることなく出荷したいと考えていますので、ご注文が想定以上に集中した際には一時的に閉店し出荷に集中させていただくことがございます。当面の間ご不便やご迷惑をおかけすることがあるかと思いますが、少しでも早くお届けできるよう尽力いたしますので、何卒ご容赦くださいます様お願い申し上げます。

本来ならゴールデンウイークに家族で旅行に出かけたり、友人知人と趣味やスポーツを楽しんだり、親戚が集まって食事会をしたりと、ガーデニング以外の楽しみが多々あって需要が分散していたはずなんですが、それだけみなさんステイホームに協力されているんだと実感する次第です。多くの方々の協力で一日も早くコロナ騒動が収束することを願うばかりです。

ちなみに松浦商店は私と女房しかいませんので出勤してもステイホームと同じ状況です(通販専業のためお客様のご来店もありません)。零細企業の強みと言っていいのかどうか...