ベントグラスの更新作業と除草剤散布の注意点について

2023年02月05日(日)

芝生や庭の様子とベントグラスの更新作業

姫高麗芝は降霜続きの天候でこれぞ冬枯れという色になりました。

きれいに均一に枯れるかどうかも芝生の変調を察知するサインの一つで、変な色に枯れたりしている場所は何らかの障害が発生していた可能性があります。

幸いなことにそういった症状もなく、無事休眠入りしていたようです。


休眠期には踏圧で必ず薄くなってしまう駐車場への導線部分も、この冬は例年になく耐えています。

緑の期間が長かったことと、踏圧対策で資材投入をしたことも好影響かもしれません。踏圧対策は今年も引き続きテストを継続してみます。


すっかり冬の装いとなった庭ですが、春の準備も進行中で女房がバラの選定を済ませてくれました。

バラの向こうにはいずも(キジ白)の姿も。


家政婦は見た!の状態になっているいずも。女房によると私が庭作業をしているのを見るのが好きみたいです。獲物に見えるんですかねー。確かに油がよくのってますけど(笑)


ベントグラスも降霜続きで退色が進んでいます。

この冬は施肥、散水、芝刈りを全て停止していますが、この地域の水がめでもある八田原ダムの貯水率が50%を切っていることから雨が少なかったことがうかがえ、水不足も多少影響しているのではないかと思います。


今週は雨も降りそうですし西日本は気温が高めに推移するとの予報が出ていましたので、ベントグラスの更新作業を実施。

まずは根切り刃でバーチカルカット。


縦横に走らせて密度を低下させます。


密度を低下させると低刈りがしやすくなりますので13ミリまで下げました。

密度を下げずに13ミリカットした場合よりも刈り高は低くなっているはずです(密度低下で芝刈り機の沈み込みが大きくなるため)。


立ち上げのための肥料と土壌改良を兼ねてスーパーグリーンフードを平米200g散布。


雨が少なかったこともあり、スーパーグリーンフードを隙間に落とし込みながらたっぷり散水しておきました。


今後は新芽が少しずつ出てくると思いますので、新芽が増えてきたらもう一段刈り高を下げる予定です。

寒地型西洋芝は日本芝のように地上部分を無くしてしまうような低刈りをしますと枯れてしまいますので、ある程度緑の葉を残して新芽への世代交代を進めながら刈り高を下げていきます。


次週からは姫高麗芝の更新作業を段階的に行う予定です。

最初にエアレーション、次に根切り刃による根切りと密度低下、低刈り、スーパーグリーンフード散布、の予定です。これらを2~3週に分けて行います。

関連記事:2月の芝生の手入れ 基本作業と注意点

土壌処理型の除草剤と更新作業のタイミングに関する注意点

除草剤は芝生が弱っている時には薬害発生リスクが高くなります。

特に、春の立ち上がり時期はただでさえ芝生が本調子ではない上に、更新作業によってエアレーションや根切りなど根を傷める作業も行います。

その状況で除草剤を散布するとほぼ間違いなく薬害が発生するでしょう。


土壌処理効果のある除草剤は、散布後に土壌表層に薬剤が吸着して処理層を形成することで長期間(3ヵ月~6か月/除草剤によって異なる)効果を発揮します。

もしすでに土壌処理型の除草剤を散布してしまったという場合は、除草剤の効果が薄れるまで待ってから根を傷める作業をした方がいいでしょう。

更新作業はサッチングや低刈りにとどめておき、低刈りもあまり深くまでやらずいつもより軽めにしておく方がリスクが低減できると思います。


更新作業を先にやって後から除草剤を散布する場合は、更新作業後に根の再生が進んで芝生が旺盛に成長するようになってから除草剤散布をしてください。

4月下旬から5月上旬ぐらいであれば十分除草剤散布に耐えられると思います。


昨年はシバキープPro顆粒水和剤のメーカー推奨の除草剤散布時期である3月、6月、9月、のサイクルに合わせるため、2月早めに更新作業、3月下旬に除草剤散布というタイミングでやりましたが、2月の更新作業後に気温が低下して寒くなってしまったために芝生の再生が思うほど進んでいなかったようで、3月下旬に除草剤を散布した結果、薬害によって立ち上がりが遅くなる、一部で黄化するなどの症状が見られました。

春の立ち上がり時期は繊細な時期でもありますので、除草剤散布を検討されている場合は、タイミングを慎重に見計らってください。

ただ、薬害が出たからといって全滅してしまうようなことはまずないと思います。(よほど散布量や希釈を間違えていれば話は別ですが)

ですので、もし薬害が出てもあわてずに再生をゆっくり待ちましょう。