ベントグラスの刈り高下げと姫高麗芝のラージパッチの様子

2021年5月30日(日)

ベントグラスの刈り高下げと姫高麗芝のラージパッチの様子

梅雨も中休みといった様相で昨日今日は日差しに夏を感じるぐらいの快晴。天気予報にも晴れマークが増えました。今日は気になっていたベントグラスの刈り高下げと姫高麗芝のラージパッチ対策を実施しました。


アジサイが梅雨時期の庭に彩を添えてくれています。


ベントグラスは刈り高下げを実施。写真でも見ても分かるように「ちょっとやりすぎちゃったかなテヘペロ」な感じになってます。


何をやったかと言いますと、リョービ根切り刃で密度低下→刈り高の下げ、です。

芝生の密度を低下させるとその分芝刈り機が沈み込みますから、同じ刈り高で刈ったとしても低く刈るようになります。ベントは先週あたりから20ミリで芝刈りしていましたが、密度低下によって同じ20ミリでも実質的な刈り高は下がっていたのでしょう。

そこでやめておけばよかったのですが、欲張ってもう一段下げて17ミリにしたら思った以上に軸刈りになってしまったという次第です。

さて、夏越しの準備の大事な時にこんなにしてしまってこれからどうなるのか。興味津々です(笑)


再生を促すためにスーパーグリーンフードを平米200g程度散布しておきました。


姫高麗芝は昨日17ミリで芝刈り。週1回ペースです。


雨がよく降っていたこともあってラージパッチがくっきりと出ています。この病気は雨や多湿の際にオレンジ色に変色するので比較的分かりやすいと思います。

最高気温25度付近はこの病気が最も活性化しますから、今の時期が病気のピークになるでしょう。これから気温が上昇してコンスタントに30度付近になってくると抑制気味になり、カーブラリア葉枯病へとバトンタッチされます。(しなくていいのに)


無農薬によるラージパッチ対策としてスーパー・ポリ・スピリットを500倍、ハード葉素1号を1000倍で混合散布しておきました。農薬ではありませんから殺菌の作用は無く、あくまでも芝生の健全性を向上することで自然治癒を狙っています。

今年はとある資材のテストのためにスーパーグリーンフードを散布していませんが、SGFを併用するとさらに効果的ですのでお勧めです。

農薬で素早く抑制したいという方は、バリダシン液剤やロブラール水和剤でしっかり病原菌を殺菌してください。


殺菌剤を散布する機会がこれから増えると思いますので、殺菌剤散布の注意点をいくつかご紹介します。

規定倍率と散布量を守る

基本中の基本ですが、殺菌剤の説明書に書かれている規定倍率と散布量は必ず守ってください。症状が軽そうだから薄め少な目でもいいや、みたいにしてしまうと耐性菌ができやすくなることがあります。また、濃すぎますと資材焼けを起こすこともあります。


マスク、眼鏡、手袋、長そで、長ズボン、長靴などの装備

農薬類を散布する際には服装や装備にも十分ご注意ください。原液や希釈液が目に入ったり皮膚についた場合はすぐに大量の水で洗い流してください。その後気になる症状が現れた場合はすぐにかかりつけの病院で相談してください。


展着剤を加用する

殺菌剤は葉や茎にしっかりと付着させた方がいいのですが、芝生に限らず植物は全般的に水をはじく性質があります。これは農薬の希釈液に対しても同じ作用が働きますので、ただ散布しただけですと芝生の表面にうまく付着しません。

それを防ぐためには展着剤を加用します。そうすると希釈液が植物表面にしっとりと濡れ広がるように付着しますので、農薬の効果が高まります。

ホームセンターではダインなどの展着剤があります。松浦商店では高機能展着剤(より高い濡れ性)のまくぴかを扱っていますので、殺菌剤をお求めの際には一緒にご検討ください。


殺菌剤と雨(もしくは散水)

せっかく殺菌剤を芝生に付着させたとしても、すぐに雨が降ったり散水をしますと流されてしまいます。殺菌剤散布直後に雨や散水などのタイミングが重ならないようにしてください。

ただし、梅雨時期の場合は雨が続くことも多く、殺菌剤散布のための晴れ間を待っていると病気が悪化の一途をたどることもあります。こういう場合は「まかないよりマシ」という前提で散布してしまいましょう。


殺菌剤と微生物資材

殺菌剤は微生物を殺す資材ですから、スーパーグリーンフードや万緑-NHTなどの微生物微生物資材を散布した直後に殺菌剤を散布しますと病原菌と一緒に殺菌してしまう可能性があります。

殺菌剤と微生物資材の散布時期が重なってしまった場合は、先に殺菌剤を散布して1週間程度空けてから微生物資材を散布してください。そうすることで殺菌後の土壌に有用微生物を供給して土壌環境を改善することができます。


ローテーションをする

殺菌剤が病原菌をやっつける作用は、たんぱく質の合成を阻害して成長させない、呼吸を阻害して死滅させる、など様々なものがあります。これを「作用点」と言いますが、同じ作用点を持つ薬剤を連用しますと耐性ができてしまう可能性があります。

そのため殺菌剤を定期散布する際には二種類以上の作用点の異なる製品を組み合わせてローテーションで散布することが望ましいです。

今、ちょうどラージパッチからカーブラリア葉枯病にスイッチする時期に来ていますので、散布例を提示しておきます。

6月初旬 バリダシン液剤(ラージパッチ対策)

6月中旬 ロブラール水和剤(ラージパッチ+葉枯病対策)

7月上旬 ラリー水和剤(葉枯病対策)

8月 ロブラール水和剤(葉枯病対策)

9月 ラリー水和剤(葉枯病対策)

10月 バリダシン液剤(秋のラージパッチ対策)

これはあくまで一例ですので、必ずこの通りにしなければならないというものではありません。殺菌剤散布の組み立てに参考にしていただければと思います。


さて、姫高麗芝は除草剤散布でカタバミは撲滅できたものの、時期的にはメヒシバがそろそろはびこり始めるタイミングとなっています。我が家でも一か所出てきました。本当なら先日散布した除草剤で抑制できているはずなのですが、おそらく散布ムラがあったのでしょう。


すぐ近くには薬害と思われる黄化も発生していますので、ここに二重に散布してしまったのかもしれません。黄化には除草剤だけでなく様々な要因があります。

関連記事:芝生の黄化はなぜ発生するの?

先日散布した除草剤も永遠に効くわけではなく3か月程度で薬効が切れますから、そろそろ次の除草剤散布をしようかと考えています。前回はシバキープPro顆粒水和剤でしたが、今度はシバキープIII顆粒水和剤を検討しています。IIからIIIになり薬剤成分が変更になりましたので、どのような特性があるのかを確かめてみたいと思っています。

ご存じの方も多いと思いますが、基本的に除草剤は高温期の散布は不適となります。最高気温が連日30℃を超えるようになってきたら散布は控えてください。夏の除草はそうなる前にやっておきましょう。