資材焼けの発生と多湿による葉枯病の進行

2019年8月25日(日)

高温多湿は資材焼けやカーブラリア葉枯病に注意

お盆を過ぎて暑さもピークを越えた感はありますがまだまだ暑いですね。関東の方では涼しい日もあったみたいで、ちょっとうらやましい気が。でも涼しくなったら芝生シーズンの終わりを告げるサインでもありますから、それはそれで寂しい。

ところで、今年の夏は湿度が高めの日が多いですね。倉庫の湿度計も「この時期ってこんなに高い数字だったっけ?」ということが多く、体感的にも猛暑だった昨年よりきつく感じます。それが芝生にも現れていまして、雨がそう多いわけでもないのにカーブラリア葉枯病のパッチが増殖中です。

また、暑い日には資材散布による焼けのリスクも高くなりますが、ちょっとやっちまったぜという失敗談も合わせてご報告します。


赤いバラ

暑い中でもバラが頑張って次々と開花しています。


ピンクのバラ

こちらはピンクのバラ。あとで芝生の病気にも触れますけど、バラも湿度が高いと病気になりやすいようで、慢性的に発症する黒星病(くろぼしびょう)が出始めています。多湿はガーデニング愛好家にとっては天敵みたいなものですね。


ベントグラスの様子

9月上旬ぐらいまではへばっているかと思っていたベントグラスがここのところやや元気になってきまして、昨日もバリカンで葉先の方をカットしてやりました。

今週は雨が多く気温もこの時期にしては低めの予報なので成長ペースが少し上がるかもしれません。


葉焼けを起こしたベントグラス

せっかく元気になってきたベントグラスですが、ちょっときつめの資材を散布したところ葉焼けを起こしてしまいました。姫高麗芝にpH下降剤を散布したついでに、ベントグラスの一部でも夏の使用に耐えるか試験してみましたが、見事に資材焼けという結果に終わりました。やはり真夏の気候できつめの資材を姫高麗芝と同様に散布するのはご法度のようです。濃度を落としたり、散布後の散水をやや念入りにするなど工夫が必要です。


芝刈りをした姫高麗芝

姫高麗芝は25ミリで芝刈り。カーブラリア葉枯病がやや活発になってきたので、20ミリから25ミリに刈り高を上げて芝刈りの負担を軽減してやりました。


カーブラリア葉枯病のパッチ

カーブラリア葉枯病のパッチ。おそらく多湿の気候が続いたことが影響していると思います。雨や多湿を大変好む病気です。まだ輪郭がぼんやりして症状が軽微な感じですが、週間予報通りに雨続きになった場合はかなりはっきりとしたパッチに成長するのではないかと思います。

早く解決したい方は、ラリー水和剤やロブラール水和剤を散布しておきましょう。葉枯病と思われるご相談をいただいた方にはこれらの殺菌剤をお勧めしており、その後「よく効きました」という感想をいただいています。

関連記事:カーブラリア葉枯病の症状と対策

気温が下がり始めると成長にブレーキがかかり始めます。これから秋にかけては病虫害には特に注意が必要です。春の被害はその後の旺盛な成長でカバーできますが、秋の被害は成長が見込めないため再生せずに休眠することがあります。その場合は来春の立ち上がりにも影響する可能性があります。

しっかり芝生の様子を観察して、枯れ、変色、密度低下などの変化を見逃さないようにしましょう。